企業のInstagram(インスタグラム)運用のポイント・コツ43選
- Instagramがビジネスで注目されている背景
- Instagramを運用する重要性
- 検索エンジンよりSNSでの検索が増えている
- 認知獲得やブランディングにつながる
- 集客が見込みやすい
- 自社(ブランド)のファン獲得や販売促進・購買につながる
- 【Instagram理解編】Instagram運用のポイント・コツ
- ほかのSNSとの違いをきちんと理解している
- ユーザーがInstagramを使う理由を分かっている
- ペルソナが実際のユーザーとかけ離れてない
- ユーザーのInstagram使用タイミングを想定する
- ユーザーの行動を言語化する
- ユーザーインサイトを捉えている
- 【運用目的編】Instagram運用のポイント・コツ
- 運用の最終目的と目標を明確にする
- 目標達成の期限とスケジュールを決める
- 目的達成の全体像を理解する
- 効果測定の指標を設定する
- 目標に対する適切なKPIを設定する
- 【アカウント設計編】Instagram運用のポイント・コツ
- Instagramプロアカウント(ビジネスアカウント)へ移行する
- ニーズに合わせて適切なコンテンツを発信する
- ペルソナ(具体的なターゲット)を明確にする
- 投稿内容の統一感を意識した運用をする
- 競合アカウントとの差別化を図る
- アカウントのコンセプトを端的に表現できる
- ベネフィットが理解できるプロフィール文を書く
- 【アルゴリズム理解編】Instagram運用のポイント・コツ
- フォロワーが増加する流れを理解する
- ハッシュタグばかりを意識しすぎない
- 「プロフィールアクセス率」や「フォロワー転換率」の数値を確認する
- 「ホーム率」と「保存率」が重要な指標なことを理解する
- フォロワーに投稿内容やストーリーが上位表示されている
- 投稿内容がフォロワー以外にもリーチできている
- 【投稿・コミュニケーション編】Instagram運用のポイント・コツ
- ハッシュタグを活用する
- 投稿時に「タグ付け」と「メンション」を活用する
- 投稿でユーザーとコミュニケーションを取る
- ストーリーズでユーザーとコミュニケーションを取る
- インスタライブを活用して双方向的なコミュニケーションを取る
- ユーザーが参加したくなる企画を考える
- 【効率的なアカウント運用編】Instagram運用のポイント・コツ
- トレンド要素を取り入れる
- 「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」を積極的に活用する
- 定期的な投稿と更新の継続を心掛ける
- 運用の課題点を正確に把握する
- Instagram運用支援サービスの種類や各特徴を理解する
- Instagram運用支援サービスの費用対効果を検討する
- Instagramの知見がある担当者にアカウント運用を依頼する
- 【アカウント分析編】Instagram運用のポイント・コツ
- 重要指標の数値をしっかり記録する
- インサイトを使って適切なPDCAサイクルを回す
- 改善点を特定して施策を実行する
- 「ホーム率」や「保存率」を確認して次の施策を決める
- 熱心なファンを多く獲得する
- 認知拡大だけでなく売上に直結できるかを考える
- Instagram運用のまとめ
企業のInstagram(インスタグラム)運用のポイント・コツ43選
「Instagram」は、写真の投稿を通じてユーザーと交流できるSNSです。最近では個人だけではなく企業も、Instagramアカウントを運用してビジネスに活用しています。自社製品の魅力を視覚的に表現して、ユーザーにアピールできることがInstagramの魅力です。
しかし、多くの企業がInstagramアカウントの運用を始めているだけに、写真を投稿するだけでは上手くいきません。自社製品の魅力を最大限に訴求できるように、集客やマネタイズのための具体的な戦略を練ることが重要です。
本記事では、企業がInstagramアカウントを運用するうえで重要な、運用のポイントやコツ、戦略設計などについて徹底解説します。この記事を読めば、自社にとって最適なInstagramの運用方法が分かり、集客やマネタイズを成功させやすくなるでしょう。
Instagramがビジネスで注目されている背景
Instagramがビジネスで注目を集めている主な理由は、個人ユーザーが企業やブランドの投稿を見る機会が増えたことです。
Instagramのアクティブユーザー数は全世界で10億人を上回っており、あらゆるSNSでとくに市場規模が大きいことが分かっています。日本国内でも2021年12月時点で3,400万人以上が利用していて、10〜20代の若者の利用者が非常に多いことが特徴です。
総務省が発表した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全体の約42%がInstagramを使用しています。その割合が年々増え続けており、LINEに次ぐ国内2番目の市場規模を誇るSNSとなりました。
引用元:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
さらに、年齢別の利用者数を調査したデータでは、10~30代の若者の利用者が突出して多いことも分かります。Instagramを上手く活用できれば、購買意欲の高い若者に自社製品やブランドの魅力をアピールできるということです。
引用元:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
こうした背景から、Instagramアカウントの運用は、集客やマネタイズに効果的な施策だといえます。Instagramアカウントの運用により、今までより多くの顧客にリーチして、企業の収益を高めることができるでしょう。
Instagramを運用する重要性
利用者数の増加や市場規模の拡大により、Instagramアカウントの運用は企業やブランドの成長に効果的な施策になりました。これを踏まえたうえで、本章ではInstagramアカウントを運用する重要性について、下記4つの観点からさらに詳しく解説します。
- 検索エンジンよりSNSでの検索が増えている
- 認知獲得やブランディングにつながる
- 集客が見込みやすい
- 自社(ブランド)のファン獲得や販売促進・購買につながる
検索エンジンよりSNSでの検索が増えている
現在では、GoogleやYahoo!などの検索エンジンよりも、SNSで情報を検索する人が増えています。とくに「流行ファッション」のような若者に需要があるジャンルでは、情報収集の手段として検索エンジンよりSNSを利用する人が多くなっています。
引用元:【調査データ】インスタグラムがグーグルを超える?若者が流行情報を収集する手段とは
上記のデータは、デジタルマーケティングメディア「ferret」の分析によるものです。同メディアの調査によると、2016年の時点ではGoogle検索の利用者が多かったのに対し、2019年ではInstagramが上回りました。InstagramはYouTubeと並び、若者の主要な情報収集メディアとなっています。
さらに、日本のInstagramユーザーは他国と比べて、「ハッシュタグ」の検索回数が3倍も多いことが分かっています。Instagramで積極的な情報収集を行う人が多い日本だからこそ、Instagramをビジネスに活用する意義は大きいといえるでしょう。
認知獲得やブランディングにつながる
Instagramアカウントの運用には、自社ブランドの認知向上やブランディングの効果もあることが魅力です。Instagramには「ハッシュタグ」や「いいね」など、投稿の検索や共有が気軽にできる機能があります。
すでにInstagram利用者が4割を超えている現在では、Instagramにおける情報の拡散効果は計り知れません。Instagramに投稿した写真や動画が注目を集めると、ユーザー同士による拡散の連鎖で「バズ」が起こります。投稿がバズればあっという間に全国、全世界に自社製品やブランドが認知されるようになるでしょう。
さらに注目したいのがブランディングの効果です。ブランディングとは、自社ブランドのイメージを作り出すための戦略を指します。自社の魅力を活かしてInstagramアカウントを運用すれば、特定のジャンルでユーザーに自社ブランドを想起させることも可能です。
集客が見込みやすい
Instagramは集客の見込みがとくに高いSNSです。国内でInstagramと並んで人気が高いSNSはTwitterですが、Instagramはテキストではなく「写真」や「動画」が主体となります。つまり、Instagramはユーザーの視覚に訴求しやすいSNSだといえるでしょう。
「メラビアンの法則」によると、視覚情報は言語情報の8倍近い影響があります。テキストだけではなく写真や動画を活用すれば、それだけ「情報の魅力」が高まるということです。Instagramでユーザーに強い印象を与えることができれば、ユーザーにニーズが生じた段階で、自社製品やブランドを想起してくれます。
Instagramには予約や問い合わせなど、ユーザーに行動を喚起するための「CTA(コール・トゥ・アクション)」の機能も利用可能です。この機能を活用すれば、Instagramの投稿と実店舗を組み合わせ、お得なサービスを提供できるキャンペーンが開催できます。
自社(ブランド)のファン獲得や販売促進・購買につながる
企業がInstagramアカウントを運用すると、自社製品やブランドのファン獲得、販売促進にもつながります。前述したように、Instagramは写真や動画などを活用して、視覚的なプロモーションが可能です。コンテンツの品質を意識すれば、ユーザーの関心を惹きやすくなり、他社との差別化を図ることができます。
また、Instagramには「Instagram広告」や「ShopNow(ショッピング機能)」など、ユーザーの購買意欲を高めるための機能も豊富です。Instagram広告では、既存の投稿を広告として再利用し、より多くのユーザーに効果的なリーチができます。
ショッピング機能のShopNowでは、Instagramの投稿と自社のECサイトと連携させることも可能です。魅力的な投稿からECサイトへユーザーを直接誘導できるので、Instagramでの集客が直接的に売上へつながります。ECサイトを主体として運営している企業やブランドにとっては、Instagramは非常に魅力的なSNSだといえるでしょう。
【Instagram理解編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagram運用を実践するときは、まずはInstagramの特徴やほかのSNSとの違いなど、Instagramそのものに関する理解を深めることが重要です。本章では、Instagram運用の基本となる、下記6つのポイントやコツを解説します。
- ほかのSNSとの違いをきちんと理解している
- ユーザーがInstagramを使う理由を分かっている
- ペルソナが実際のユーザーとかけ離れてない
- ユーザーのInstagram使用タイミングを想定する
- ユーザーの行動を言語化する
- ユーザーインサイトを捉えている
ほかのSNSとの違いをきちんと理解している
InstagramとほかのSNSの違いを理解することが、Instagram運用の始まりです。先ほども触れたように、InstagramはTwitterと大きく異なる点があります。それが、Instagramはテキストではなく「写真」や「動画」が主体で、ユーザーへの訴求プロセスが異なることです。
TwitterやFacebookはどちらかというとテキスト主体で、「言語」で表現する傾向があります。一方で、Instagramは「視覚」を通して、ユーザーとのコミュニケーションを図るSNSです。そのため、InstagramはほかのSNSと比べて、ユーザーの使用目的自体も異なります。
Instagramのユーザーは「ビジュアル」を求めており、ハッシュタグによる検索媒体として用いられることも多いです。この点をしっかり理解して、「いかにビジュアルを重視した投稿をするか」を意識すると、より多くのユーザーを惹きつけられるようになるでしょう。
ユーザーがInstagramを使う理由を分かっている
「ユーザーがなぜInstagramを使うのか」が分かっていなければ、Instagram運用を成功させるのは難しいでしょう。ユーザーが「おしゃれな投稿」を求めて、Instagramを利用していた時代はすでに終わり、ユーザーの利用目的は大きく変化しました。
ユーザーは「情報共有」や「クチコミ収集」のために、Instagramを活用するようになりました。Google検索エンジンでも同様の情報は得られますが、Instagramではより主観的で流動的な情報が得られます。その代表的な例が「リポスト」です。
Instagramでは、ユーザーの投稿をリポスト機能で引用できます。この機能を活かし、ユーザーの投稿を自社アカウントに引用している企業は少なくありません。ユーザーの主観を集客に活かすと同時に、顧客ロイヤリティの醸成にも役立つ施策となります。
ペルソナが実際のユーザーとかけ離れてない
Instagram運用では、「ペルソナ」設定の重要度がほかのSNSより高くなります。ペルソナとは、具体的なひとりのユーザーを想定したターゲット設定のことです。年齢や性別だけではなく、職業や趣味、情報収集の傾向や価値観にまで深く踏み込み、曖昧なところがないように想定します。
ペルソナ設定により、「ターゲットに刺さる投稿」が可能となるため、より効果的なマーケティングやブランディングが可能です。ただし、このペルソナの設定が実際のユーザー層とかけ離れていると、逆効果になってしまうことがあります。
たとえば、自社ブランドが20代の若者から人気が高いにも関わらず、30代のペルソナを想定した投稿をするとユーザーに効果的な訴求ができません。実際に購買層にインタビューを行ったり、市場調査などを行ったりして、ユーザーニーズを捉えた精密なペルソナ設定を行いましょう。
ユーザーのInstagram使用タイミングを想定する
ユーザーがどのようなタイミングでInstagramを使用するのかも、企業のInstagram運用で重要なポイントになります。なぜなら、ユーザー層によってアクティブになる時間帯が異なるからです。どれだけ魅力的な投稿を続けていても、その時間帯にフォロワーがアクティブでなければ、ユーザーから発見されにくいため拡散効果を期待できません。
InstagramでもほかのSNSと同じように、自社の投稿はフォロワーのフィードに流れます。しかし、フィードでの表示順位の基準に「投稿の新しさ」が含まれているため、アクティブな時間帯とタイムラグがあると、ほかの投稿に埋もれるかもしれません。ユーザーのペルソナを設定したら、昼間や夜間など投稿に適切なタイミングを吟味しましょう。
ユーザーの行動を言語化する
Instagram運用を開始する前に、ユーザーの行動を言語化しておきましょう。ユーザーの行動の言語化は、「カスタマージャーニーマップ」を作成するために欠かせません。カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社を認知して購買に至るまでの過程である「カスタマージャーニー」を視覚化したものです。
カスタマージャーニーを作成するときは、ユーザーのニーズや感情、思考を理解することです。ユーザーはInstagramを起動するきっかけや、自社の投稿をどのように発見するのかを考えてみましょう。ユーザーが投稿を発見して感じること、望むことを言語化すれば、どんなコンテンツがユーザーに刺さるか分かります。
ユーザーインサイトを捉えている
ユーザーインサイトを捉えて、Instagram運用を行うことも重要です。インサイトとは「深層心理」のことで、ユーザーの本質的なニーズを指します。表面的なニーズではなく、何が「ユーザーの共感を得る」ことができ、「ユーザーの課題解決に役立つか」を考えてみましょう。そのためには「ユーザーファースト」の観点が欠かせません。
たとえば、ダイエット関連のInstagramアカウントで伸びやすいのは、数分でできるストレッチや健康的な食事に関するコンテンツです。本格的なトレーニングテクニックの紹介ではなく、身近なものを紹介する方がユーザーとの距離感が縮まります。このように、ユーザーの「共感」を意識すると、アカウントの成長がより早くなるでしょう。
【運用目的編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagram運用では、運用目的を明確にすることも重要です。目的やゴールの設定や、中間目標も適切に定めることで、より効果的にInstagramアカウントを運用できるようになります。本章では、下記4つの観点からInstagram運用のポイントとコツを見ていきましょう。
- 運用の最終目的と中間目標を明確にする
- 目標達成の期限とスケジュールを決める
- 目的達成の全体像を理解する
- 効果測定の指標を設定する
- 目標に対する適切なKPIを設定する
運用の最終目的と目標を明確にする
運用の「最終目的」や「中間目標」を明確化することは、Instagram運用を成功させるために欠かせません。なぜなら、最終目的によってそれを達成するための過程や、必要な施策が大きく異なるからです。Instagram運用の最終目的として、主に下記のようなものが考えられるでしょう。
- ECサイトの売上向上
- 自社ブランドのファン獲得
Instagram運用で目的を達成するためには、中間目標の設定も必要です。たとえば、ECサイトへの誘導数やフォロワー獲得数、「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」の本数などが挙げられます。このように、最終目的と中間目標をはっきりさせておけば、Instagram運用の効率化が可能です。
目標達成の期限とスケジュールを決める
Instagram運用の目的や目標を設定しても、達成期限とスケジュールが決まっていなければ十分な効果を得られません。「この時期までに達成する」意識がなければ、つい惰性で進行してしまうことがあるからです。下記のように、具体的な数値目標やスケジュールを設けるようにしましょう。
スケジュール | 達成すべき数値目標 |
運用開始から1か月目 | フォロワー1,000人以上獲得 |
運用開始から3か月目 | フォロワー3,000人以上獲得 |
運用開始から6か月目 | フォロワー10,000人以上獲得 |
期限やスケジュールを定めるときのコツは、「実現可能な範囲でタイトにすること」です。スケジュールが厳しすぎると施策の質やモチベーションが低下し、緩すぎると施策が惰性で進んでしまいます。実現可能でありながら高い目標を設定することが、Instagram運用の効果を高めるポイントです。
目標の設定に関しては、「Instagram運用におけるKPI・KGIの重要性や設定方法をわかりやすく解説!」、「インフルエンサーマーケティングにおけるKPI設定と効果測定の方法」をぜひ、ご参考ください。
目的達成の全体像を理解する
Instagram運用では、最終的な目的を達成するための全体像を理解することが重要です。そのために、中間目標ごとの「マイルストーン」を適切に設定しましょう。マイルストーンには、中間目標を細分化して分かりやすくして、施策の進捗状況を適切に把握できるなどの効果があります。
自社ブランドのファン獲得を目的とするのであれば、マイルストーンはフォロワー獲得数となるでしょう。たとえば、運用開始から3か月目で3,000人、半年で10,000人などの内容です。マイルストーンの設定により中間地点ごとに必要な施策が分かり、効率的なInstagram運用ができます。
効果測定の指標を設定する
Instagram運用では、中間目標ごとに丁寧な「効果測定」を行うために、適切な「指標」を選択することが重要です。Instagramには後述する「インサイト」という機能があり、さまざまな指標を確認できます。Instagram運用では、「ホーム率」と「保存率」の2つが重要な指標となることが多いです。
詳細は後述しますが、ホーム率はユーザーがフィードから投稿を閲覧した割合、保存率はユーザーが投稿を保存した割合を指します。Instagramのアルゴリズムによって多少は変わりますが、ホーム率と保存率は重要な指標であり続ける可能性が高いです。ぜひこれらの指標を意識してみてください。
インサイトの見方などは、「インスタのインサイト機能とは?利用方法からデータの活用まで一挙解説!」、「【わかりやすい】初心者のためのインスタのインサイトの見方」をご参考ください。
目標に対する適切なKPIを設定する
先ほど紹介した指標を適切に評価するために、「KPI」の設定も欠かさずに行いましょう。KPIは「重要業績評価指標」のことで、目標達成の度合いを測定するための基準値を指します。Instagram運用では「ホーム率」と「保存率」の2つが重要な指標ですが、その具体的な目標値がKPIです。
Instagramの投稿ジャンルによって異なりますが、保存率2%・ホーム率50%くらいがKPIの目安となるでしょう。なお、保存率3%・ホーム率60%を超えたあたりから「バズ投稿」が増えやすくなり、拡散効果が大幅に高まるようです。アカウントの状況に応じた適切なKPIを設定しましょう。
KPIに関しては、「Instagram運用におけるKPI・KGIの重要性や設定方法をわかりやすく解説!」、「インフルエンサーマーケティングにおけるKPI設定と効果測定の方法」をぜひ、ご参考ください。
【アカウント設計編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagramアカウントの運用目的や方針、効果測定のためのKPIなどが決まったら、アカウントの設計のポイントを理解したうえで具体的な設計を行いましょう。本章では下記7つの観点から、Instagramのアカウント設計のポイントとコツを解説します。
- Instagramプロアカウント(ビジネスアカウント)へ移行する
- ニーズに合わせて適切なコンテンツを発信する
- ペルソナ(具体的なターゲット)を明確にする
- 投稿内容の統一感を意識した運用をする
- 競合アカウントとの差別化を図る
- アカウントのコンセプトを端的に表現できる
- ベネフィットが理解できるプロフィール文を書く
Instagramプロアカウント(ビジネスアカウント)へ移行する
実際にInstagramアカウントの運用を始める前に、必ず「プロアカウント(ビジネスアカウント)」へ移行しておくようにしましょう。Instagramのプロアカウントには下記のように、ビジネスにおける集客や収益拡大に役立つさまざまな機能が搭載されています。
- ビジネスプロフィール
- プロフィールへのCTA設置
- Instagram ShopNow機能
- Instagramインサイト
- Instagram広告
ビジネスプロフィールでは、電話番号や問い合わせボタンなど、ユーザーにアクションを促すCTAを設置できます。ショッピング機能のShopNowによる直接ECサイトへの誘導や、Instagram広告での集客力向上など、Instagram運用の成果が高まる機能が利用可能です。
また、Instagramインサイトは後述するように、フォロワーを増やしてブランドのファンを獲得するために欠かせない機能です。プロアカウントへ移行するメリットは計り知れません。Instagramのプロアカウントは無料で利用できるため、ぜひ移行しておきましょう。
プロアカウントやビジネスアカウントを説明している記事がありますので、詳しくは「Instagram(インスタグラム)プロアカウントの開設方法、メリットや一般人が活用できるポイント 」、「Instagram(インスタグラム)のビジネスアカウントとは?導入方法・切替方法・機能・メリット」をご参考ください。
ニーズに合わせて適切なコンテンツを発信する
Instagram運用の効果を高めるためには、「ユーザーニーズを反映したコンテンツ」を投稿することが重要です。どれだけオリジナリティが高く魅力的な投稿でも、ユーザーニーズと合致していなければ伸びません。自社の専門分野を活かしながら、「いかにパイを広げるか」が重要です。
ここでもユーザーファーストの目線が必要になります。たとえば、アパレルブランドを運営している企業が、自社ブランドのファッションばかり紹介してもユーザーは共感できません。流行ファッションの紹介や着こなし術など、ユーザーの実生活に役立つ情報を提供するようにしましょう。
ペルソナ(具体的なターゲット)を明確にする
先ほど紹介したように、「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」の作成は、「ユーザーに刺さるコンテンツ」を生み出すために欠かせません。ペルソナやカスタマージャーニーマップが決まったら、自社が発信するコンテンツについて改めて整理してみましょう。
具体的には、運用施策やファン獲得の手段である「How」よりも前に、「誰(Who)」に「何(What)」を発信するのか明確化します。ここが定まっていなければ、運用中にコンテンツ内容や方向性が頻繁に変わってしまい、多くのファンを獲得することができません。
投稿内容の統一感を意識した運用をする
Instagram運用では、アカウントの投稿内容や世界観を統一することを心掛けましょう。Instagramはビジュアルや雰囲気が重視されるSNSです。投稿内容はもちろんのこと、対象とするユーザー層やテキスト、プロフィールの文章もしっかり統一する必要があります。
Instagramアカウントをフォローする前に、世界観や雰囲気が自分に合うかを感覚で判断するユーザーは多いです。このときに、世界観を上手く表現できていなかったり、投稿の方向性が頻繁に変わっていたりすると、ユーザーは無意識のうちにフォローを控えてしまうでしょう。
たとえば、女性向けファッションブランドには、「クール」や「かわいい」などブランド独自のイメージがあります。クール系のブランドを追求するファッションブランドであれば、写真やテキストもクール系で揃えることで、全体的な世界観の統一につながるはずです。
競合アカウントとの差別化を図る
Instagram運用を軌道に乗せるためには、競合他社との差別化を図ることが重要です。ユーザーは自身のニーズに合う、あるいは投稿内容が好みに合うアカウントを選んでフォローします。競合アカウントと似たような投稿が多ければ、ユーザーがフォローを控える可能性が高いです。
フォロワー数を増やすためには、競合他社のアカウントにはない、自社ブランドしか作れないコンテンツが求められます。Instagram運用を開始する前に、同じジャンルの競合アカウントをチェックしてください。競合の強みと弱みを分析すれば、自社のオリジナリティを発掘できます。
アカウントのコンセプトを端的に表現できる
Instagramアカウントの「コンセプト」を端的に表現できなければ、運用方針をもう一度検討してみましょう。自社ブランドを一言で表現できるコンセプトがあれば、ユーザーが「何のためのアカウント」なのかをイメージできるため、熱心なファンを獲得しやすくなります。
アカウントのコンセプトは、「ブランドコンセプト」とほとんど同じ意味です。コンセプトが明確なブランドは、ユーザーにニーズが生じた際に「この分野ならこの企業」と、ユーザーに想起してもらいやすくなります。これが「第一想起(Top of Mind Awareness)」で、ブランディングに欠かせない概念です。
ブランドコンセプトは、Instagramだけではなくブランドそのものを成長させる原動力となります。何を伝えるのかという「What」だけではなく、ブランドの使命や価値を示す「Why」の部分を考えてみましょう。ここがユーザーに伝われば一気にファンが増えるはずです。
ベネフィットが理解できるプロフィール文を書く
Instagramアカウントのコンセプトが決まったら、「ユーザーが得られるベネフィット」について考えてみてください。あらゆるユーザーは何らかの「ベネフィット」を求めて、Instagramアカウントをフォローします。
たとえば、「お役立ち情報」や「お得情報」などの実用的なものから、「ドキドキ」や「感動」のような感情的なものまで人によってさまざまです。こうしたベネフィットを明確化できたら、ぜひプロフィールに記載しておきましょう。
Instagramアカウントをフォローする前に、プロフィールをチェックするユーザーがほとんどです。そこに「お得な情報をお届けします」のようなベネフィットが記載されていれば、それだけでアカウントが伸びやすくなります。
【アルゴリズム理解編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagram運用を成功させるためには、Instagram特有のアルゴリズムを理解して、さまざまな機能を使いこなすことが重要です。本章では、Instagram運用のポイントやコツについて、下記6つの観点から掘り下げていきます。
- フォロワーが増加する流れを理解する
- ハッシュタグばかりを意識しすぎない
- 「プロフィールアクセス率」や「フォロワー転換率」の数値を確認する
- 「ホーム率」と「保存率」が重要な指標なことを理解する
- フォロワーに投稿内容やストーリーが上位表示されている
- 投稿内容がフォロワー以外にもリーチできている
フォロワーが増加する流れを理解する
Instagram運用において、ユーザーがどのようにInstagramアカウントをフォローするか、その流れを理解しておくことは極めて重要です。ユーザーがInstagramアカウントのフォローに至るステップと、それぞれのハードルとなる要素や指標を確認しておきましょう。フォロワー数を伸ばすために欠かせないので、ぜひ改めて確認してみてください。
フォローに至るステップ | ユーザーの行動 | ステップのハードル | 参考となる指標 |
ステップ1 | フィードやハッシュタグからユーザーが投稿を発見する | いかに投稿を発見して読んでもらうか | 投稿リーチ数 |
ステップ2 | 投稿を読んで興味を持った人がプロフィールを訪問する | いかにユーザーをプロフィールへ誘導するか | プロフィール遷移数・プロフィール遷移率 |
ステップ3 | プロフィール内容が魅力的に感じたらフォロワーとなる | いかにユーザーにフォローしてもらうか | フォロー完了数・フォロー完了率 |
上記それぞれのステップが理解できれば、自社アカウントのどこが「ボトルネック」になっているかが分かります。たとえば、プロフィール遷移率が低い場合は、投稿内容がターゲットに響いていない可能性が高いです。ペルソナやコンセプトを見直して、ユーザーの共感が得やすいコンテンツに改善すれば、各指標が向上してフォロワー数も増えるでしょう。
ハッシュタグばかりを意識しすぎない
Instagram運用において、ハッシュタグは非常に重要な要素です。冒頭でも紹介したように、国内のInstagramユーザーはハッシュタグ検索を頻繁に行い、ニーズに合致するアカウントをフォローしています。しかし、ハッシュタグを意識しすぎると、「本質」を見誤ってしまうので注意してください。
Instagram運用の本質は、ユーザーニーズに合わせたコンテンツ発信にあります。どれだけ工夫したハッシュタグを挿入していても、内容がニーズとかけ離れていては意味がありません。ハッシュタグは良質なコンテンツと組み合わせて初めて効果を発揮するので、まずはコンテンツ内容を重視しましょう。
「プロフィールアクセス率」や「フォロワー転換率」の数値を確認する
フォロワーを増やすためには、「プロフィールアクセス率」や「フォロワー転換率」の数値も大切です。プロフィールアクセス率は投稿を読んでプロフィールにアクセスしたユーザーの割合、フォロワー転換率はそこからフォローに至る割合を指します。つまり、2つの指標は一直線上に並んでいるということです。
どれだけコンテンツが「バズ」を起こしても、それがプロフィールアクセスやフォロワー転換につながらなければ、フォロワーは一向に増えません。目安となる数値はジャンルによって変わります。基本的には、プロフィールアクセス率が1~3%、フォロワー転換率は5~10%以上が好ましいとされているようです。
「ホーム率」と「保存率」が重要な指標なことを理解する
前述したように、Instagramアカウントを伸ばすためには、「ホーム率」と「保存率」が極めて重要な指標になると考えられています。なぜなら、これらの指標はInstagram運用の効果そのものを示すからです。一般的には、ホーム率はアカウントのクオリティ、保存率はコンテンツのクオリティを表します。
ホーム率と保存率は、自社コンテンツの拡散力にも関わる重要な要素です。Instagramがアカウントや投稿を評価する際に活用されるため、数値が向上すると多くのユーザーにリーチしやすくなります。これらの指標は本記事の後半で改めて解説するので、Instagram運用の際は重点的にチェックしてください。
フォロワーに投稿内容やストーリーが上位表示されている
フォロワーのフィードに投稿やストーリーが上位表示されていなければ、せっかくフォロワーを増やしても十分な効果が得られません。Instagram広告やShopNowなど、CTAのきっかけとなる接点の多くは、フィードに流れる投稿から生まれます。つまり、ここでも「ホーム率の向上」が重要になるということです。
投稿やストーリーのフィードでの表示順位は、自社とフォロワーの結びつきの強さに影響されます。詳細は後述しますが、「ストーリーズ」や「インスタライブ」などを活用して、双方向のコミュニケーションを取ることが重要です。こうすることで、フォロワーとの接点や滞在時間が増え、ホーム率の数値が改善します。
投稿内容がフォロワー以外にもリーチできている
Instagramアカウントのフォロワーを増やすためには、「いかに多くのユーザーにリーチするか」が重要です。ユーザーへのリーチを拡大させるために、下記2つのポイントを意識しましょう。
- フォロワーからの評価を高める
- 有益なコンテンツを多く投稿する
フォロワー以外に投稿を発見してもらうためには、既存のフォロワーからの「保存」や「いいね」などの評価が重要です。そのため、ユーザーが思わず保存したくなるような魅力的なコンテンツを増やすことが、リーチの拡大につながります。
たとえユーザーにリーチしやすくなっても、プロフィールアクセス率が低ければフォロワーは増えません。ユーザーにベネフィットを与える有益なコンテンツを増やして、リーチからフォローの流れを作り出しましょう。
【投稿・コミュニケーション編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagramでユーザーとの接点を増やすことが、さまざまな指標の改善につながります。そのため、ユーザーとの「コミュニケーション」を意識することが極めて重要です。本章では、Instagramにおける投稿やコミュニケーションのポイントとコツについて、下記6つの観点から解説します。
- ハッシュタグを活用する
- 投稿時に「タグ付け」と「メンション」を活用する
- 投稿でユーザーとコミュニケーションを取る
- ストーリーズでユーザーとコミュニケーションを取る
- インスタライブを活用して双方向的なコミュニケーションを取る
- ユーザーが参加したくなる企画を考える
ハッシュタグを活用する
Instagramでユーザーへのリーチ拡大には、「ハッシュタグ」がカギとなります。ハッシュタグは「#」から始まる文字列で、自由なものを投稿に付けることが可能です。ハッシュタグをクリックすると、同じハッシュタグがついた投稿の一覧が表示されます。
つまり、ハッシュタグを経由して、ほかの投稿からユーザーが流入することもあるということです。ただし、ハッシュタグは何でも付ければ効果があるというわけではないので、下記3つの要素を意識して適切なハッシュタグを選ぶ必要があります。
- ハッシュタグのボリューム
- 関連するハッシュタグ
- 競合アカウントのハッシュタグ
ハッシュタグのボリュームは、同じハッシュタグを付けている投稿の総数です。関連するハッシュタグは、そのハッシュタグと関連して人気が高いほかのハッシュタグを指します。いずれもハッシュタグをクリックすると、画面上に表示されるので確認しましょう。
また、競合アカウントが使用しているハッシュタグも参考になります。Instagramの投稿には、最大30件のハッシュタグを付けることが可能です。下記の要素を上手に取り込んで、多くのハッシュタグをバランス良く付ければ、リーチが大幅に拡大することもあります。
ハッシュタグの要素 | 重要な理由 |
企業名・ブランド名・製品名 | 自社やブランドの存在をアピールできる |
業界・ジャンル | 業界やジャンル内での地位を確立できる |
地域・所在地 | 地域に根付いたブランドでは効果がある |
コンセプト・魅力 | 自社ブランドにしかない魅力を伝えられる |
コミュニティ・つながり | 特定のコミュニティへのリーチが拡大する |
ハッシュタグは基本的に多いほど効果が増しますが、関係のないハッシュタグを付けても意味がありません。また、ハッシュタグが投稿内容の実態とかけ離れていると逆効果になることもあるので、コンテンツの意義や魅力がユーザーに伝わるものを選びましょう。
投稿時に「タグ付け」と「メンション」を活用する
ユーザーをフォローへ誘導するためには、ユーザーとの関係構築が欠かせません。その「きっかけ」となるのが「タグ付け」と「メンション」です。タグ付けとメンションを上手く活用できれば、ユーザーとコミュニケーションを取る機会が増えるので効果的です。
タグ付けは、写真内の人物とアカウントを関連付けるためのもので、写真内にその人物のアカウントへのリンクを設置できます。メンションは、コメント欄で「@」を付けて特定の人物に言及するためのもので、こちらも対象人物のプロフィールへの遷移が可能です。
メンションは単純にユーザーとのコミュニケーション機会が増えるため、フォロワー獲得のチャンスが高まります。ここではタグ付けの効果に注目してみましょう。タグ付けがフォロワー獲得に効果的なのは、より多くのユーザーに投稿が発見されやすくなるためです。
実は、タグ付けされたアカウントとそのフォロワーのフィードに、タグが付いた投稿が表示されるようになります。つまり、投稿で積極的にタグ付けを行うと、フォロワーではないユーザーにもリーチしやすくなり、フォロワー獲得のチャンスが増えるということです。
ただし、この方法はそもそも投稿する写真に、インスタグラマーが写っていなければ使えません。インスタグラマーとのコラボレーション企画や、写真撮影の依頼などが可能であれば効果的な方法です。不確実性の高い方法ではありますが、ぜひ検討してみてください。
投稿でユーザーとコミュニケーションを取る
先ほども触れましたが、投稿のコメント欄での「メンション」は、Instagramにおいてユーザーとの主要なコミュニケーション手段となります。投稿をきっかけとしてユーザーとのコミュニケーションを図ると、ユーザーからの信頼を獲得することが可能です。さらに、投稿の話題性が高まれば、それ自体が大きな集客効果を発揮します。
会話の機会を作る方法には、「自社側からのメンション」と「ユーザーへの誘導」の2種類のものがあります。自社側からのメンションは、フォロワーになる見込みがある人の投稿に対して、積極的にメンションを行うというものです。これは極めて基本的な手段なので、ここでは2つ目の方法に注目してみましょう。
たとえば、投稿で「あなたはどうですか?」「好きなファッションはどれですか?」などのように問いかけると、ユーザーは思わず答えたくなるはずです。投稿を発見したユーザーがメンションを飛ばし、その数が増えれば話題性が高まります。コミュニケーションが活発な投稿は、「おすすめ」に表示されやすくなるためリーチの拡大に効果的です。
ストーリーズでユーザーとコミュニケーションを取る
Instagramの「ストーリーズ」も、ユーザーとのコミュニケーション機会の創出に役立ちます。ストーリーズは、投稿から24時間が経過すると自動的に削除されることが特徴です。フルスクリーンで映し出されるため、通常の投稿とは違った雰囲気を演出することができます。ストーリーズ独特の機能について、概要を確認しておきましょう。
ストーリーズの機能名 | 機能の概要と特徴 |
ハイライト | 24時間経過後もホーム画面に表示できる |
リポスト | ほかのユーザーの投稿内容を引用できる |
リンク | ストーリーズ内にリンクを設置できる |
アンケート | 二者択一の質問がユーザーにできる |
クイズ | 最大4つの選択肢から選んでもらえる |
質問 | テキストによる自由記述式の質問ができる |
とくに注目したいのが、アンケート・クイズ・質問などのコミュニケーション機能です。質問に対するユーザーの回答を集めることで、話題性が高まると同時に今後の施策運営の参考になるでしょう。たとえば、アンケート機能によって収集したユーザーの回答を、「よくある質問」としてハイライト機能でまとめておくと、ブランドへの理解を深めてもらえます。
インスタライブを活用して双方向的なコミュニケーションを取る
「インスタライブ」は、Instagramでライブ配信ができる機能です。ユーザーのエンゲージメントやフォロワー数を高めるために、非常に効果的な施策であると考えられています。実際に、インスタライブ開催後にフォロワーが急増することも珍しくありません。そこには、下記2つの背景があると考えられます。
- インスタライブで滞在時間が長くなってリーチが拡大する
- インスタライブの開催でユーザーとのつながりが深くなる
ユーザーとアカウントとの接点を示す「滞在時間」は、Instagramの評価に影響を与えるようです。インスタライブで滞在時間が長くなれば、ユーザーのフィードで上位表示される可能性が高まります。さらに、定期的にインスタライブを開催してユーザーとリアルタイムの交流を図ることで、信頼関係や愛着を醸成できることも大きな魅力です。
インスタライブの開催時は、ユーザーのリクエストに応えたり、質問を募集して回答してみたりすると、双方向のコミュニケーションができます。インスタライブは手間やコストがかかる施策ではありますが、フォロワー獲得のためにぜひ積極的に行いましょう。
インスタのライブ機能を詳しく知りたい場合は、「インスタライブとは?見方と配信方法、効果的に利用するコツを紹介」を参考されるとよいでしょう
ユーザーが参加したくなる企画を考える
Instagramで何らかの企画を行う際は、必ず「ユーザーが参加したいと思うかどうか」を考慮に入れて、企画を検討するようにしてください。ストーリーズやインスタライブ、各種キャンペーンなどを行っても、ユーザーが参加してくれなければ意味がありません。よくある失敗が、とりあえず魅力的だと思われるキャンペーンを乱立させてしまうことです。
施策の数だけを増やしても、クオリティが伴っていなければ成果につながりません。ターゲット以外の層にアプローチしたり、エンゲージメントの低いユーザーばかり集まったりするからです。後述する方法でアカウントの分析を丁寧に行い、「ユーザーが求めるもの」を提供できる企画を開催しましょう。クオリティ重視の施策がフォロワー獲得の近道です。
【効率的なアカウント運用編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagramアカウントの運用成果を高めるためには、効率性を重視することも大切です。Instagram運用を効率的に進めるために重要な、下記7つのポイントとコツを本章で詳しく解説します。
- トレンド要素を取り入れる
- 「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」を積極的に活用する
- 定期的な投稿と更新の継続を心掛ける
- 運用の課題点を正確に把握する
- Instagram運用支援サービスの種類や各特徴を理解する
- Instagram運用支援サービスの費用対効果を検討する
- Instagramの知見がある担当者にアカウント運用を依頼する
トレンド要素を取り入れる
トレンド要素を上手く取り入れることは、Instagramアカウントの継続と成長に欠かせません。Instagram運用において、「いかに投稿を継続するか」で課題を抱えることは珍しくありません。毎日いくつものコンテンツを投稿する必要があり、アイデアが枯渇してしまうこともあるでしょう。
そんなときは、業界の最新トレンドを取り入れることで、コンテンツ制作の負担を大幅に軽減できます。Instagramユーザーは常に「旬の情報」を求めているものです。最新トレンドというだけで情報の付加価値が高まり、ユーザーからの信頼を獲得しやすくなります。「最先端」のイメージも付くため、ブランディングにも効果的です。
たとえば、クリスマスやバレンタイン、お花見やお月見など季節のトレンドは、さまざまなジャンルでコンテンツに取り込みやすい傾向があります。季節ごとのお役立ち情報や流行などを紹介すれば、ユーザーのエンゲージメントは高まりますし、ユーザーとの接点を維持することも可能です。
「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」を積極的に活用する
「UGC(User Generated Contents)」の活用も重要な施策のひとつです。UGCは「ユーザー生成コンテンツ」のことで、ユーザー側がブランドを使用して発信するコンテンツを指します。最近では、UGCを自社ブランドのアカウントで引用する企業が増えており、その効果は計り知れません。
UGCの引用には、「事例紹介によるクチコミ拡散」や「顧客ロイヤリティの向上」などの魅力があります。UGCはユーザーの「生の声」を反映したものなので、情報の価値が非常に高いです。さらに、投稿が引用されたユーザーは企業とのつながりを深く感じ、ブランドに対する愛着が醸成されます。
UGCの活用はアパレルやコスメなど、ユーザーが自身でコンテンツを投稿しやすいジャンルで多い施策です。Instagramのコンテンツは、すべてを自社で制作する必要はありません。良質なUGCを積極的に活用すれば、負担軽減とファン獲得でまさに「一石二鳥」なので、ぜひ試してみましょう。
定期的な投稿と更新の継続を心掛ける
Instagramアカウントは決して放置してはいけません。定期的な投稿と更新を継続するために、これまで紹介した施策を実行しましょう。アカウントを放置すると、今までの投稿が埋もれたりフォロワーが減少したりするなど、計り知れない悪影響があります。
とくにブランドイメージが低下することは致命的です。放置されたアカウントを見たユーザーは、「いい加減なブランド」や「終了したブランド」などの悪い印象を受けます。Instagramアカウントを一度作ったら、必ず最後までやり抜いて成果を出しましょう。
運用の課題点を正確に把握する
課題点を正確に把握して改善を続けることは、Instagramで成果を出すために大切です。Instagram運用は、ポイントやコツを押さえて正しく実践すれば、必ず成果が出てきます。しかし、課題の認識が甘ければ好ましくない方向に進み、挫折してしまうかもしれません。
たとえば、フォロワーが増えないことに課題を感じている場合は、その根本的な原因を探る必要があります。投稿内容やプロフィール、コミュニケーションの方法など原因によって、取るべき対策が変わるからです。現状を正しく認識するために、効果測定が欠かせません。
Instagram運用支援サービスの種類や各特徴を理解する
「Instagram運用支援サービス」の活用も、必要に応じて検討してみましょう。Instagram運用ではさまざまな問題が生じ、そのたびに対応策を講じる必要があります。しかし、どこから手を付ければいいか分からないこともあるでしょう。Instagram運用のリソースやノウハウが社内にない場合は、専門家の支援を受けるのがおすすめです。
Instagram運用支援サービスには、コンサルティングや運用代行、各種ツールの提供など多種多様なものがあります。コンサルティングや運用代行の企業にも得意分野があるため、それぞれの特徴を把握することが大切です。たとえば、ブランディングと集客のどちらを目的とするかによって、依頼すべき企業も得られる成果も大きく異なります。
Instagram運用支援サービスの費用対効果を検討する
Instagram運用支援サービスの利用を検討するときは、必ず「費用対効果」を考慮するようにしてください。社内リソースやノウハウが限られている場合、多くのケースでInstagram運用支援サービスを利用する方が、中長期的な費用対効果が高くなります。
初期投資や月額料金などの費用がかかるため、Instagram運用支援サービスは短期的な費用対効果は決して良くありません。しかし、スキルがある担当者がInstagramアカウントを運用することにより、フォロワー数やエンゲージメントは飛躍的に向上するでしょう。
結果的にコストを上回る利益が出れば、それに越したことはありません。適切な企業を選べば確実な効果が得られるので、Instagram運用支援サービスも検討してみてください。
Instagramの知見がある担当者にアカウント運用を依頼する
Instagramアカウントの成果は、運用担当者のスキルに大きな影響を受けます。効果測定や戦略立案などは、とくに知識とノウハウが求められる分野なので、経験がない人が成果を出すのは困難です。業界やアカウントのジャンルによって、運用施策やKPI設定も異なるので、さらに複雑になることもあるでしょう。
そのため、社内にInstagram運用に関する知見がある人がいないか、まず探ってみることが重要です。適任者が見つかればその人に運用を依頼しましょう。前述したように、社内リソースやノウハウが限られている場合は、外部の担当者に依頼するのが効果的です。適切な担当者に運用を任せれば、それだけ目的の達成も早まります。
【アカウント分析編】Instagram運用のポイント・コツ
Instagramの運用において、あらかじめ決めておいた施策を実行するだけでは、十分な成果が得られません。効果測定を行い、適切な改善策を講じることが大切です。本章では下記6つの観点から、Instagramアカウントを分析するポイントとコツを解説します。
- 重要指標の数値をしっかり記録する
- インサイトを使って適切なPDCAサイクルを回す
- 改善点を特定して施策を実行する
- 「ホーム率」や「保存率」を確認して次の施策を決める
- 熱心なファンを多く獲得する
- 認知拡大だけでなく売上に直結できるかを考える
重要指標の数値をしっかり記録する
Instagramアカウントの現状を把握するために、「効果測定」が欠かせません。リーチやフォロワーに関する指標や、後述するホーム率や保存率などの数値は改善のためとくに重要なので、欠かさず記録しておくようにしましょう。
単に数値だけを記録するのではなく、その推移をいつでも把握できるようにすることが大切です。推移が分かれば、どの施策でどのような効果が得られたのか明らかにできます。効果測定の質は、今後の運用を左右するポイントです。
インサイトを使って適切なPDCAサイクルを回す
Instagramが公式に提供している「Instagramインサイト」は、さまざまな指標の数値を測定するための分析ツールです。Instagramインサイトでは、フォロワーの年齢や性別、居住地域などの解析はもちろん、各指標の推移まで正確に確認できます。
Instagramインサイトを活用して、適切な「PDCAサイクル」を回すことが重要です。施策の立案と実施、効果測定と改善というサイクルを繰り返しましょう。これによりInstagram運用が少しずつ理想的な方向へ進み、最終的に大きな成果が得られます。
改善点を特定して施策を実行する
Instagramインサイトで効果測定を行ってPDCAサイクルを回す際に、「ボトルネック」を把握して改善点を特定することが重要です。ボトルネックとは、施策の成果への悪影響が最も大きな部分を指します。ほかの部分を改善しても、ボトルネックがそのままでは意味がありません。
Instagramインサイトで分析できる指標のなかで、ホーム率・保存率・プロフィール遷移率・フォロワー転換率の4つの数値がとくに重要です。まずはこれらの指標に注目して、どの部分がボトルネックになっているか検証して、新たな施策を打ち立てて数値の改善を図りましょう。
「ホーム率」や「保存率」を確認して次の施策を決める
これまでに何度も触れてきたように、「ホーム率」や「保存率」はInstagram運用で最も重要な指標です。これらの数値を高水準で維持できるようになれば、アカウントの成長は着実に進んでいるといえるでしょう。
ホーム率は、フィードから投稿を見たフォロワーの割合を指します。保存率は、投稿を閲覧したすべてのユーザーのうち、投稿を保存した割合を示す指標です。ホーム率はユーザーとのつながり、保存率はコンテンツの魅力が分かるので、極めて重要度が高いといえます。
目安としては「保存率2%以上」「ホーム率50%以上」を目標にするといいでしょう。アカウントのジャンルや投稿内容に関わらず、この水準を満たすことができれば、フォロワー数が確実に伸び続けていくはずです。
熱心なファンを多く獲得する
ただフォロワーを増やすだけではなく、できるだけ「熱心なファン」を多く獲得することが重要です。Instagramアカウントのフォロワーには、「なんとなくフォローしてみた」というケースも少なくありません。こうした質の低いフォロワーが増えると、前述したホーム率や保存率が上がりづらくなります。
指標の改善が難しくなると、フォロワー以外にリーチできる機会も減少します。短期的にフォロワー数が増えても、中長期的な成長が見込めなければ意味がありません。これまで紹介してきた、ユーザーファーストでターゲットに刺さる投稿を増やしていけば、熱心なファンを獲得できるようになるはずです。
認知拡大だけでなく売上に直結できるかを考える
Instagramアカウントの運用目的が「販売促進」である場合は、売上に直結できるような施策を実行することが重要です。認知拡大やブランディングを重視するのであれば別ですが、収益に直結させたい場合は「購買につながる動線」を積極的に増やしましょう。
たとえば、Instagram広告やショッピング機能のShopNowを活用すれば、ユーザーをECサイトへ誘導しやすくなります。ビジネスプロフィールのCTAを利用して、ユーザーの行動を喚起するのもひとつの手です。目的を満たすための適切な施策の実行が重要です。
Instagram運用のまとめ
本記事では、Instagram運用の成果を最大限に高めるための、あらゆるポイントやコツを解説しました。今回紹介した内容を踏まえてInstagramアカウントを運用すれば、投稿内容やジャンルに関わらず目的を達成しやすくなるでしょう。
最近では、多くのユーザーがInstagramで情報やクチコミを集めるようになっています。ユーザーファーストの意識やペルソナ設定、ブランドコンセプトの周知を徹底したうえで適切な効果測定を行うことが重要です。それにより、自社ブランドにとって理想的なフォロワーを獲得し、ブランドの飛躍につながります。
しかし、Instagram運用には専門的な知識と経験が必要です。弊社「&Buzz」では、13,000名以上のインフルエンサーネットワークを活用して、Instagram運用支援サービスを提供しています。企業の課題を解決できる最適な施策を提案させていただきますので、Instagram運用でお悩みの場合はぜひ弊社にご相談ください。