インフルエンサーマーケティングは効果がない?PR効果を最大化させるコツ
- よく見られるインフルエンサーマーケティングの問題点
- インフルエンサーに一回だけのPRを依頼しても効果がない?
- インフルエンサーマーケティングは「目的」に応じて実施すべき!
- インフルエンサーマーケティングは効果がないと思われてしまう理由
- インフルエンサーにPRを依頼すれば必ず効果が出るという幻想
- 効果は採用の質と量で決まるという勘違い
- PRキャンペーンの目的が曖昧
- 購入までの導線(プロセス)が不適切
- ハッシュタグキャンペーンへの過大評価
- 信頼性や適切なマッチングが不十分
- PR効果を最大化させるためのプロモーション戦略設計3STEPS
- 【STEP1:インフルエンサーの選定】
- 1.フォロワー数でインフルエンサーを選ぶ
- 2.エンゲージメント率でインフルエンサーを採用
- 3.インフルエンサーの投稿内容、雰囲気、世界観で決める
- 【STEP2:顧客の囲い込み(新規とリピーター)】
- 1.フォロワーに特典を用意する
- 2.インフルエンサーだけの特典も提供
- 【STEP3:プロセス(導線)の最適化】
- ①プロフィールに購入ページのURLを掲載
- ②メンションとタグ付けを依頼
- 【STEP1:インフルエンサーの選定】
- PR効果を最大化させるコツのまとめ
インフルエンサーマーケティングは効果がない?PR効果を最大化させるコツ
インフルエンサーマーケティングが主流となりつつある中、多くの企業は少なくとも一度はインフルエンサーPRキャンペーンを実施されたものの、効果がないと嘆くマーケティング担当者も少なくないでしょう。
本記事は、インスタグラマーマーケティングは効果がないと思われる理由を挙げた上で、誰でも簡単に実施できる、PR効果を最大化させる方法を説明します。
なお、本記事は、中小企業や個人事業主、飲食店、サロンなどのローカルビジネスを含むスモールビジネスを対象としていますが、インフルエンサーマーケティングを実施する際には必ず直面する問題を触れており、また、確実に効果を出す方法を提示しているので、ビジネスの規模を問わず、ぜひ一読ください。
- 適切なインフルエンサーを選定
- 顧客を囲い込む戦略の設計
- プロセスの最適化
それでは、まず、インフルエンサーマーケティングの問題点から見ていきます。
よく見られるインフルエンサーマーケティングの問題点
インフルエンサーマーケティングの最も一般的手法としては、商品またはサービスをインフルエンサーに無料で提供する代わりに、Instagram、Twitter、FaceBookなどのSNSにて宣伝してもらうことです。
しかし、単にPR投稿をインフルエンサーにお願いするだけでは、残念ながら、PR効果がないどころか、商品をサンプル品として無料配布してしまう、もしくは、サービスを無料体験させたことになりかねません。
これは、よく見られるインフルエンサーマーケティングの問題点であり、多くのマーケティング担当者を悩ませる課題でもあります。
この課題が生まれる背景には、「インフルエンサーに一回だけのPR依頼で効果は出せるかどうか」という議論が横たわります。
インフルエンサーに一回だけのPRを依頼しても効果がない?
実際に、AndBuzzと類似するマッチングサービスを提供しているWoomy(ウーミー)のウェブサイトを見ると、このような記載があります。
クライアント様の多くは、1回のPRで購入までの成果を期待してしまいます。
しかし、1回のPRで購入までの効果を出すことは、非常に難しいです。
認知されていない商品やブランドであれば、1回のPRで得られる効果としては、少し認知や興味を持ってもらったりするだけで、購入まではなかなか繋がりません。
そのことが原因で諦められることが多いかと思います。
*当然、PRする商品によっては諦めることも必要ではありますが、1回目で効果をだすことは難しいです。
Woomyはクライアント(スポンサー、広告主、以下「広告主」という)から都度課金で何らかの名目で料金を徴収するビジネスモデルを採用しているため、広告主にはできるだけ複数回にわたり利用してもらいたいのでしょうから、広告主の利用を促すために、このような文面をウェブサイトに掲載してると思われます。
一方で、その裏を返せば、この文面からは、「多くの広告主は1回だけで諦めてしまう」ことも読み取れます。
その理由は、言うまでもなく、最初の1回目で効果を出せなかったからにほかなりません。
広告主にも色々なプロモーション手段がある中で、最初に色々と試してみて、効果が出ないプロモーションからやめていくというのは、極めて合理的でしょう。
では、果たして本当に1回のPRだけで効果を出すのは難しいでしょうか?
その答えは、YESであり、NOでもあります。
インフルエンサーマーケティングは「目的」に応じて実施すべき!
インフルエンサーにPRを依頼すること、いわば、インフルエンサーマーケティングは、あくまでも手段です。
目的を達成するための手段にすぎません。
インフルエンサーにPRを依頼すること自体を目的化してしまっては、かえってコストが発生するだけです。
もちろん最終目的は「売上の向上」に尽きますが、その一歩手前の目的として、顧客の獲得なのか、商品の知名度・ブランドの認知度の向上なのか、によっては話も異なります。
先ほどの質問に戻りますと、本当に1回のPRだけで効果を出すのは難しいかどうかというと、YESであり、NOでもあると答えました。
YESというのは、商品の知名度・ブランドの認知度の向上を目的とした場合、1回のPRだけで効果を出すのは難しいと断言できます。
仮に予算をかけて、一気に300人のインフルエンサーを採用しても、1回のPRだけで効果を出すのは難しいです。
テレビCMをイメージすればわかりやすいでしょう。よほどインパクトのあるテレビCMでない限り、一回だけ見ても印象に残らないでしょう。
しかし、NOというのは、顧客の獲得を目的とした場合、適切な施策を行えば、1回のPRだけでも十分な効果が見込められます。
効果を出すための具体的な施策につきましては、のちほど「PR効果を最大化させるためのプロモーション戦略設計3STEPS」で詳しく説明しますけど、
まずは、「インフルエンサーマーケティングは効果がないと思われてしまう理由」を見ていく中で、「なぜスモールビジネスは顧客の獲得を目的にすべきか」をも明らかにしていきます。
インフルエンサーマーケティングは効果がないと思われてしまう理由
「インフルエンサーマーケティングは効果がない」と思われてしまったのは、一部は、広告代理店やインフルエンサーキャスティング企業などが自ら作り出してしまった結果です。
ただし、決して意図的に作り出した結果ではなく、自社の売上のために、無意識的に、広告主に誤った概念を刷り込んでしまっただけの話です。
ここから、「インフルエンサーマーケティングは効果がない」と思われる5つの理由を見ていきますが、インフルエンサーマーケティングを実際に実施したことがあるものの、効果を実感できなかったマーケティング担当者は、当てはまっているかどうかを意識しながらご一読ください。
まだ実施していないマーケティング担当者は、これらの罠に陥らないように気を付けながら、インフルエンサーマーケティングを実施しましょう。
インフルエンサーにPRを依頼すれば必ず効果が出るという幻想
確かに、数十万あるいは数百万フォロワーを持つインフルエンサーであれば、かつ、商品とイメージとフォロワーの属性がフィットしていれば、PR効果はそれなりに出るでしょうけれども、当然にそれなりの費用も出ていきます。
スモールビジネスにとって、現実的には、数万人またはそれ以下のフォロワー数を持つインフルエンサーに依頼することがほとんどでしょうけれども、こういう場合、単に「依頼するだけ」では効果は出ません。
「具体的に何をすべきか?」については、後ほど説明しますけれども、まずは「インフルエンサーにPRを依頼すれば必ず効果が出る」という幻想を捨てましょう。
効果は採用の質と量で決まるという勘違い
適切なインフルエンサーを多く採用すれば、効果は出るかと言えば、残念ながら、そうはいきません。
実際に、「90%は採用で決まる」と謳えているマッチングサービスもありますが、それを鵜吞みにすると痛い目に遭います。
確かに、正しく適切なインフルエンサーを採用することは重要ではあるものの、あくまでも効果を出すための第一歩に過ぎず、それだけで効果が決まるわけではありません。
企業が優秀な人材を採用する「だけ」で、抱えている問題が全て解決され、売上も倍増になることはありえません。
採用の量に関しても同じく、優秀な人材を100人採用しても、窓際に座らせるだけでは、人件費がかさむだけです。
つまり、採用した優秀な人材に「何をさせるか」がポイントなのです。
同様に、「総額○万円で、定額○万円で数百人にPR依頼をした」のような実績をアピールするインフルエンサーマッチングアプリも見かけます。
それ自体は素晴らしい実績ではあるものの、しかし、一歩間違えれば、リピーターになる見込みもない人にサンプル品をタダで配布しているだけになりかねません。
もちろん、採用単価を低く抑えられることに越したことはありません。
しかし、力を入れるべきところは、採用人数ではなく、採用したインフルエンサーをまず確実にファンになってもらい、顧客化していく仕組みの構築です。
ただ一人のインフルエンサーを虜にさえできないのに、果たしてそのフォロワーたちの心をつかめるか?
ということです。
極端な話ですが、リピーターになる見込みもない300人を採用してサンプル品をタダで配布するよりは、1人だけ採用して、その人を確実にファンになってもらい、リピーターになってもらった方が、よほど効果的です。
しかも、そのファンはその後も自ずとPRをしていくことになります。
PRキャンペーンの目的が曖昧
先ほど、「インフルエンサーマーケティングは目的に応じて実施すべき」で述べたように、PRキャンペーンの目的をはっきりすることは、効果を出すために、極めて重要なポイントです。
PRキャンペーンの目的は、商品の知名度・ブランドの認知度の向上なのか、それとも顧客の獲得なのか、この辺をはっきりにしないまま、インフルエンサーPRキャンペーンを実施してしまうケースもよく見かけます。
目的が違えば、当然に手段も異なってきますので、PRキャンペーンの目的が曖昧のままに、適切な施策が行われていないことが、PR効果の低下をもたらす理由でもあります。
PRキャンペーンの目的が、商品の知名度・ブランドの認知度の向上であれば、数十万またはそれ以上のフォロワーを持つ有名なインフルエンサーを数人かを起用する、もしくは、数万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーを大量に採用するアプローチが有効でしょう。
言い換えれば、リーチ数(≒フォロワー数)を最大限に稼ぐことで、できるだけ多くの潜在顧客にアピールし、商品やブランドが認知される結果、
その後、何かしらのきっかけで、自社のブランドや商品・サービスが想起され、購入に至るというアプローチです。
しかし、広告予算や人的資源が限られている場合、このようなアプローチは推奨されるべきではありません。
予算をかけて、リーチ数(≒フォロワー数)を最大限に稼ぐことができなければ、認知度を適切に高めることができない結果、商品やブランドがユーザーに忘れられるからです。
しかも、効果が出るまで、時間がかかるため、スモールビジネスの場合は、キャッシュフローが持たなくなる恐れもあります。
広告予算や人的資源が限られている場合は、むしろ、キャンペーンの目的を、顧客の獲得に直結させた売上の向上に設定すべきです。
この目的を達成するためには、繰り返しになりますが、まずは、採用したインフルエンサーを確実にファンになってもらい、顧客化していく仕組みの構築です。
その後、インフルエンサーの先にいるフォロワーたちを徐々に顧客化していく方法こそ、スモールビジネスにとって最も有効的なアプローチです。
購入までの導線(プロセス)が不適切
キャンペーンの目的を、顧客の獲得に直結させた売上の向上に設定したところで、購入までの導線(プロセス)が適切に設計されていないと、その目的を当然に達成することはできません。
購入までの導線(プロセス)は、端的にいえば、
「インフルエンサーのPR投稿を見た人が、商品を買いたいと思ったときに、投稿から購入ページに至るまで」
の道筋です。
導線を適切に設計する方法は、のちほど、「プロセスの最適化」で具体的な事例を用いて詳しく説明しますけど、ここでは、購入までの導線(プロセス)が不適切だと、
- 商品を購入したくても、どう購入すれば良いかわからない
- 購入するまでのプロセス(ステップ、手間)が増えれば増えるほど、ユーザーは離脱していく
などの問題が生じることを覚えましょう。
ハッシュタグキャンペーンへの過大評価
「ハッシュタグキャンペーンを実施しましょう」と推奨する会社もよく見かけますが、結論から言いますと、商品の知名度・ブランドの認知度の向上を目的に、それなりの費用をかけた大規模キャンペーンでなければ、ハッシュタグキャンペーンの実施は全く意味がありません。
「PRキャンペーンの目的が曖昧」では、PRキャンペーンの目的が、商品の知名度・ブランドの認知度の向上であれば、数十万またはそれ以上のフォロワーを持つ有名なインフルエンサーを数人かを起用する、もしくは、数万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーを大量に採用するアプローチが有効であると述べました。
その際には、インフルエンサーに、よく検索されるビッグワードと、自社ブランド名や商品名の入った独自ハッシュタグを記載してもらうと、効果もいっそう高まるでしょう。
しかしながら、PRキャンペーンの目的を、顧客の獲得に直結させた売上の向上に設定した場合にとられるアプローチでは、よく検索されるビッグワードをハッシュタグとして掲載しても、
上位表示される可能性は低いし、自社ブランド名や商品名の入った独自ハッシュタグは、認識されておらず、検索されない可能性が高いです。
そもそもが、
「自社のブランド名や商品名で検索しているユーザーは、既にブランド名や商品名を知っている!」
ことは、案外と認識されていません。
なお、ハッシュタグキャンペーンの実施は良くないと主張しているわけではありません。
実際に、ハッシュタグキャンペーンの実施は、期待している効果が得られないままに終わってしまうだけであり、PR効果を押し下げることもほとんどないでしょう。
あくまでも、「顧客の獲得」を目的にした場合、いつのまにか、「いかにハッシュタグをバズらせる」ことが目的になってしまい、
本来の目的がおろそかにされた結果として、ハッシュタグキャンペーンへの過大評価が(本来の)目的達成(顧客の獲得)の足かせになる可能性が高いことを留意していただきたい。
ここまで、「インフルエンサーマーケティングは効果がないと思われてしまう理由」を見てきました。裏を返せば、
① 適切なPRキャンペーンの目的の設定
② 適切なインフルエンサーの選定
③ 適切な導線(プロセス)の設計
この3つの必要な条件がうまく揃えば、少ない予算でも、きちんとPR効果を出すことができます。
すなわち、インフルエンサーマーケティングのPR効果を最大化させるには、適切なプロモーション戦略の設計が肝となってきます。
信頼性や適切なマッチングが不十分
インフルエンサーマーケティングが効果を発揮しない理由として、信頼性や適切なマッチングが不十分であることが挙げられます。
インフルエンサーとブランドがマッチしていない場合、フォロワーがその商品やサービスに対して興味を持たず、結果として効果が得られません。
信頼性については、インフルエンサーが自然な形で商品やサービスを紹介し、誠実に評価することが重要です。
一方で、広告主は適切なインフルエンサーを選び、その人物が自分のブランドに適したターゲット層にアピールできるように配慮する必要があります。
これらの要素が不十分だと、消費者はインフルエンサーが宣伝している商品やサービスに対して疑念を持ち、購入意欲を失ってしまうことがあります。
したがって、信頼性と適切なマッチングを重視し、正確なターゲット設定を行うことが、インフルエンサーマーケティングの成功に繋がります。
PR効果を最大化させるためのプロモーション戦略設計3STEPS
- インフルエンサーの選定
- 顧客の囲い込み(新規とリピーター)
- プロセスの最適化
なお、この記事は、スモールビジネスを対象としており、「顧客の獲得」をPRキャンペーンの目的として推奨しているため、それに合わせたプロモーション戦略設計の方法を提示していますが、
目的を「ブランドや商品認知度の向上」に設定する場合においても、応用できますので、ぜひ最後までご一読ください。
また、インフルエンサーマーケティングを実施する際に、どのSNS媒体で宣伝するかを決める必要はありますが、本記事を執筆している現在(2021年9月)では、Instagramが主流であることと、どのSNS媒体でも適切なプロモーション戦略を設計すれば、同じ効果が得られることから、この記事では、Instagramを前提に説明します。
【STEP1:インフルエンサーの選定】
どういうインフルエンサーにPRしてもらうかを決めるには、様々な方法がある中で、ここではメジャーな三つの方法を紹介します。
実務的には、どれか一つの方法だけを使うのではなく、併せて使うことがほとんどです。
1.フォロワー数でインフルエンサーを選ぶ
アカウントのフォロワー数が多ければ、見ている人も多いだろうから、そのインフルエンサーにPRを依頼すれば、多くの人に見てもらえる(リーチできる)でしょう。
フォロワー数で選ぶのは、こういう考え方に基づいています。
フォロワー数でインフルエンサーを選ぶのは全く手間がかかりません。
Instagramのアカウントにアクセスすれば、そこにはアカウントのフォロワー数が表示されているからです。
要は、多ければ多いほど良いので、実際にこれだけで決めてしまう広告主も少なくありません。
しかし、「フォロワー数が多い」というのは、単に「見る人が多い」ことを意味しているだけであって、そのインフルエンサーにPRを依頼しても、フォロワーからの反応は保証されません。そこで、次の指標が登場します。
2.エンゲージメント率でインフルエンサーを採用
エンゲージメント率は、インタラクション率と呼ばれることもあります。
早い話ですが、要は、フォロワーがそのインフルエンサーの投稿にどれだけ反応しているかを示す指標です。
反応率を示すこの指標の計算式は色々ありまして、よく使われるのは、「平均いいね/フォロワー数」か「平均コメント数/フォロワー数」の二つです。
平均は、直近の3投稿でとる場合もあれば、5投稿でとる場合もあります。
平均をとる投稿数が少ない場合、「たまたま反応が良かった投稿」が入ってしまうと、正確さもブレてしまいますが、多くの投稿数の平均をとると、手間がかかってしまいますので、大体3投稿か5投稿のパターンが多いです。
また、一番新しい投稿はまだ見られていない可能性を考えて、一番新しい投稿を除いた直近の3投稿か5投稿でとることもあります。
たとえば、フォロワー数100人、直近の3投稿のいいね数がそれぞれ、10、15、5だとします。
平均いいね数は、合計30いいね/3投稿なので、10となります。平均10いいね/100フォロワー=10%がエンゲージメント率になります。
平均コメント数で計算する場合も同じです。
もう一つの指標:「フォロワー数対フォロー数」
フォロワーの反応を計るエンゲージメント率のような指標とは別に、「フォロワー数対フォロー数」という指標も使われています。
この指標は、高ければ高いほど良いとされています。
つまり、フォロー数が少ないほど良いのです。
たとえば、「フォロワー数1,000人、フォロー数100人」のの場合は、10(倍)となりますが、「フォロワー数1,000人、フォロー数10人」の場合は、100(倍)になります。
後者のほうが良いとされているようです。
このような指標が使われるようになった背景には、「相互フォロー」という行為の存在が横たわっています。
「フォローしてくれたら、フォローバックするよ」もしくは「フォロワーしたから、私のアカウントもフォローしてね」という行為です。
そうなると、その「フォロワー」はアカウントの投稿に興味を持っているというより、ただ「自分のフォロワー数を増やしたいから、フォローした」だけなので、
失礼な言い方かもしれませんが、あまり「価値」はないとされています。
しかし、エンゲージメント率が高いとは言え、もしかしたら、それはあくまでも、そのアカウントの既存の投稿に対する反応だけであって、広告主の商品・サービスに反応してくれるとは限りません。
たとえば、露出が多い写真を投稿している女性アイドル(インフルエンサー)のアカウントがあり、エンゲージメント率も非常に高いとします。
女性用美容液を販売している広告主が、このインフルエンサーにPRを依頼しても、効果が出るかはやや疑問でしょう。
フォロワーたちは、このインフルエンサー自身の写真に反応しているだけであって、しかも、もしかしたら男性フォロワーが多いかもしれないので、
エンゲージメント率が高いとはいえ、女性用美容液のPRには向かないでしょう。
このことから、エンゲージメント率はフォロワー数よりも参考できる指標であるものの、エンゲージメント率のみでインフルエンサー決めてしまうのは、場合によっては効果が低下されることがわかります。
のちほど【STEP2:顧客の囲い込み(新規とリピーター)】で説明しますが、インフルエンサーマーケティングのPR効果を出せるかどうかは、この「反応」をいかに「購買」に転換させるかにかかります。
3.インフルエンサーの投稿内容、雰囲気、世界観で決める
インフルエンサーのフォロワー数やエンゲージメント率のように指標としての客観的な数値ではなく、直感で、インフルエンサーの投稿内容、雰囲気、世界観でPR依頼するかを決めるという方法です。
インフルエンサーのアカウントは、どのような内容を投稿しているか?
アカウント全体の雰囲気は自社の商品とフィットするのか?
アカウントの世界観は自社のサービスとマッチするのか?
それを見て、このインフルエンサーにPRの依頼をしてみたいかどうかを決めます。
直感でいいのかと思うかもしれませんが、結局のところ、インフルエンサーマーケティングのPR効果を出すために、自社の商品・サービスがインフルエンサーとフォロワーに合うかどうかが何よりも重要です。
もちろん、フォロワー数が極端に少なかったり、エンゲージメント率が低かったりすると、PR依頼をためらうかもしれません。
しかし、もしも、そのインフルエンサーの投稿内容、雰囲気、世界観を気に入っているなら、のちほど説明する【STEP2:顧客の囲い込み(新規とリピーター)】のように、インフルエンサーを自社のファン・顧客化にするのも一つの手です。
目的は顧客の獲得であることを常に思い出しましょう。
この三つの選定方法をどう組み合わせて使う?
実務上、特に大規模キャンペーンを実施する場合、インフルエンサーキャスティング企業に依頼し、インスタグラマーの採用をアウトソーシングすることが多いと思います。
インフルエンサーキャスティング企業がインフルエンサーの選定に使う方法としては、まず、キャンペーンに応募したインフルエンサーをリストアップしてから、一次選考として一定の基準に基づき、、フォロワー数とエンゲージメント率でスクリーニング(ふるい落とし)を行います。
そこから、残ったインフルエンサーの投稿内容、雰囲気、世界観で採用を決めます(この選考段階はクライアントと一緒に行う場合もある)。
しかし、このような方法は、特にエンゲージメント率の計算は、大量な労力と時間を費やす作業なので、中小企業や個人事業主、ローカルビジネスなどを含むスモールビジネスがアウトソーシングせずに、実施するのは非現実的です。
データの収集だけで、数時間はかかってしまうからです。
数人のインフルエンサーだけならまだしも、案件とチームの規模にもよりますが、経験上、大体20名、30名あたりを超えると無理が出ます。
月額料金を払えば、フォロワー数とエンゲージメント率を自動的に計算してくれるシステムもありますが、インフルエンサーの採用単価が跳ね上がるので、やはり非現実的です。
実務上、AndBuzzが広告主にオススメしている方法としては、全ての応募者をリストアップせずに、インフルエンサーの応募がきたら、
まずSNSアカウントを開いて、投稿内容、雰囲気、世界観を見ます。合わないと思ったら、即却下(不採用)にします。
「ちょっと気になるな」と思ったら、フォロワー数を見て、いいね数とコメント数をざっくり確認して決めます(エンゲージメント率の計算までは行わない)。
【STEP2:顧客の囲い込み(新規とリピーター)】
適切なインフルエンサーを選定したら、次は、顧客の囲い込みを最大限に図りましょう。
もう一度、インフルエンサーにPRの目的を振り返りましょう。
目的は顧客の獲得です。
すなわち、潜在顧客を顧客に転換させることです。
潜在顧客は、インフルエンサーのフォロワーだけではありません。
応募してきたインフルエンサーは確実に自社の商品・サービスに興味を持っているので、当然に潜在顧客です。
しかも、顧客・ファンになってもらえる可能性は、フォロワーより遥かに高いです。
というのも、PRキャンペーンを実施する際に、フォロワーとは直接にコンタクトを取れておらず、インフルエンサーを通じて、フォロワーたちにアピールしているからです。
インフルエンサーと直接にコンタクトを取っているのに、インフルエンサーを顧客化するチャンスを逃すことは、非常にもったいないことです。
- フォロワーを新規顧客化
- フォロワーをリピーターに
- インフルエサー自身を新規顧客、更にリピーターに
そのための施策は、「特典を用意すること」です。
1.フォロワーに特典を用意する
フォロワーが購入しやすいように、送料無料、割引など、フォロワーだけの特典を用意しましょう。
単に「このような商品・サービスがあるよ」ではなく、「このような商品・サービスがあり、更に特典がある」とアピールしてもらうことです。
たとえば、フォロワーには、10%OFFの特典を提供し、インフルエンサーには、
「購入する時に、このクーポンを入力すると、10%OFF!」
「予約するときに、私の名前(ID)を伝えると、料金が10%OFFになるよ!」
と宣伝してもらいます。
このように、フォロワーに特典を用意することで、フォロワーを顧客化にできるだけでなく、インフルエンサーが宣伝しやすくなるというメリットもあります。
更に、初回だけではなく、次回からも使える特典をフォロワーに用意しましょう。
こうすることで、フォロワーを確実に顧客化することで、少ない回数のPRでも十分な効果が見込められます。
「フォロワーや知り合いの方にも使用したいという方がいたら、トライアルセットを郵送しますので、ご紹介いただけるとありがたい」
との一言をインフルエンサーに伝えるだけで、効果はかなり異なります。
インフルエンサーはフォロワーや知り合いに対して、特別なアピールができるので、より積極的にPRしてくれます。
2.インフルエンサーだけの特典も提供
「インフルエンサーにPRを依頼するのは、フォロワーに認知してもらい、フォロワーに買ってもらうから」と、どうしても、「フォロワーに買ってもらう」ことだけをPRキャンペーンの効果として求めがちです。
しかし、繰り返しになりますが、大事なのは、インフルエンサー自身をも顧客化していくことです。
そのためには、インフルエンサーだけの特典も提供することです。
たとえば、インフルエンサーには、今後はずっと30%の割引で購入できるクーポンや優先的にサンプル品を配布など、インフルエンサー自身を根強いファンにしましょう。
【STEP3:プロセス(導線)の最適化】
適切なインフルエンサーを選定し、顧客を囲い込む戦略も立てたら、最後は、「プロセスの最適化」です。
プロセスとは、ユーザーがインフルエンサーの投稿から購入ページまでのステップを指しており、
プロセスの最適化とは、投稿から購入ページまでのステップをいかに減らすことです。
プロセス=投稿から購入ページまでのステップごとに、一定のユーザーは離脱しまいますので、ステップ数が多ければ多いほど、PR効果が下がっていきます。
特に、InstagramのPRキャンペーンにおいて、よく見られるのは、投稿内容(紹介文=キャプション)に、URLだけを貼り付けているパターンです。
これは全く効果がありません。
Instagramでは、URLはテキストとして表示されており、リンクとしては機能しませんので、紹介文(キャプション)に、URLだけを貼り付けていては、ユーザーが仮に買いたいと思っても、そこから購買ページに辿り着けません。
ブラウザーで閲覧するユーザーは、一度そのURLをコピーして、ブラウザーのアドレスバーに貼り付けなければなりません。
よほど興味を持っているユーザーでなければ、そこまではしないでしょう。
コピペだけで解決できるなら、まだマシですが、Instagramのアプリ上だと、コピーすらできませんので、
ユーザーはURLをアドレスバーに最初から打ち込まなければなりません。
絶対に買いたいユーザーでない限り、この段階で諦めてしまいます。
この問題を簡単に回避できるので、最も簡単かつ有効な方法を説明します。
①プロフィールに購入ページのURLを掲載
自社のInstagramアカウントのプロフィールに、ウェブサイトや購入ページのURLを掲載しましょう。
Instagramでは、プロフィールに1つのURLを掲載することができますので、キャンペーン対象に応じて、適切なURLを掲載しましょう。
たとえば、ECサイト全体のセールを行っている場合は、ECサイトのトップページURLの設定が適切でしょうし、
特定商品の販売数をあげたい場合は、その商品の購買ページのURLを設置しましょう。サービス系ですと、予約ページへの誘導が最も効率的でしょう。
誘導先のURL設定
Instagramでは、プロフィールに1つのURLしか掲載できないので、どのページのURLに設定するかは悩ましいでしょう。
知名度・ブランドの認知度の向上が目的であれば、1つしか表示できないURLをECサイトのトップページ、オウンドメディア、コーポレートサイトに設定した方がよいですが、目的が商品の販売、サービスの予約であれば、個別商品の販売ページ、もしくは、予約ページのURL設定を推奨しています。
- トップページ、オウンドメディア、コーポレートサイトから、商品の販売ページ・サービスの予約ページまで、プロセスがまた増えるからです。その結果、一定数の離脱も生じてしまいます。
- 2.そもそもが、ユーザーは既に興味を持っており、買いたいという気持ちがあるからです。「買う」・「予約する」というユーザーの目的に合わせて、直接に商品の販売ページ・サービスの予約ページまで誘導したほうが親切だし、成約率も高まります。
②メンションとタグ付けを依頼
インフルエンサーにPRしてもらうときに、必ず投稿において、自社のInstagramへのメンションと写真でのタグ付けを依頼しましょう。
先ほど述べた通り、Instagramでは、URLはテキストとして表示されており、リンクとしては機能しませんので、メンションと写真でのタグ付けを通じて、プロセスの最適化を行います。
ユーザーが投稿をみて、買いたい!使ってみたい!と思ったら、メンションや写真でのタグ付けから、ワンステップだけで、自社のInstagramアカウントに誘導することができます。
そこから、上記「プロフィールに購入ページのURLを掲載」でのURLから、更にワンステップ(合計2つのアクション)だけで、販売ページへ誘導することができます。
また、現在は、スマホのユーザが圧倒的に多いので、誘導先のページは、レシポンシブ(スマホ対応)にしましょう。
PR効果を最大化させるコツのまとめ
インフルエンサーマーケティングは「目的」に応じて実施すべきであり、とりわけ、スモールビジネスの場合、PRキャンペーンの目的は、商品知名度・ブランド認知度の向上より、「顧客の獲得」に設定した方が適切です。
キャンペーンの目的を「顧客の獲得」に設定した場合、
- 適切なインフルエンサーを選定
- 顧客を囲い込む戦略の設計
- プロセスの最適化
適切なインフルエンサーの選定は、
- フォロワー数
- エンゲージメント率
- 雰囲気・世界観
顧客を囲い込むポイントとしては、
- フォロワーを新規顧客化
- フォロワーをリピーターに
- インフルエサー自身を新規顧客、更にリピーターに
プロセスの最適化は、
- プロフィールに購入ページのURLを掲載
- メンションとタグ付けを依頼
インフルエンサーPRキャンペーンを実施したい場合は、いかなる費用も掛からない、更に、インフルエンサーの選定から、顧客を囲い込む戦略の設計、プロセスの最適化まで、無料のコンサルティングサービスを受けられるAndBuzzをぜひご検討ください。