インフルエンサーマーケティングに見られるトラブルを防止する7つの方法、解決策と具体例
- インフルエンサーマーケティングに見られるトラブル
- 商品を送った(サービスを提供した)のに、投稿してくれない
- PR投稿を事後に削除する
- 約束通りに期日内に投稿しない
- 悪い口コミ、マイナス評価が書かれる
- 間違った商品・サービス説明の掲載
- 隅っこ投稿、端っこ投稿
- ストリーズだけの投稿
- 指定のハッシュタグ、メンション、タグ付けがない
- 誘導先のURLやリンクが記載されていない
- 案件進行中に退会
- 不適切なコメントや投稿内容によるブランドイメージの悪化
- インフルエンサーとのトラブルは必ず発生する
- トラブルを防止する7つの方法
- PR投稿の期日と期間を指定
- PR投稿の方法と形式、回数を指定
- ハッシュタグ、メンション、タグ付けを指定
- 誘導先のURLやリンクの掲載を指定
- 必要があれば修正に応じることを求める
- 事前にアカウントと既存の投稿をしっかり確認
- 契約違反の場合の買取条項
- トラブルを解決するための注意点
- 本人確認制度があるマッチングサイトを利用
- 積極的に解決してくれるマッチングサイトを見つけよう
- 利用規約とQ&Aからの運営会社の姿勢を見極めよう
- 広告主の案件数を確認してみよう
- 一般的なインフルエンサーマッチングサイトのトラブル対応体制
- トリドリベース(旧・コラボベース)のトラブル対応体制
- Woomy(ウーミー)のトラブル対応体制
- LMND(レモネード) のトラブル対応体制
- Cast Me! のトラブル対応体制
- AndBuzzのトラブル対応体制
- 積極的に介入するように規定した利用規約
- 安心に利用できるための本人確認制度の導入
- メッセージ内容の分析によるトラブル防止
- 自由度の高い案件設定機能
- 広告主(スポンサー)向けの保障制度
- トラブル防止のため独自の退会処理制度
- 本記事のまとめ
インフルエンサーマーケティングに見られるトラブルを防止する7つの方法、解決策と具体例
本記事は、まず、インフルエンサーマーケティングを実施する際に、インフルエンサーとの間にどのようなトラブルが起こりうるかを見て行きます。
その後、トラブルが必ず発生することについて簡単に触れてから、トラブルを防止する方法と注意点を提示します。
最後に、事例を交えながら、一般的なインフルエンサーマッチングサイトのトラブル対応体制とAndBuzzのトラブル対応体制を紹介します。
インフルエンサーマーケティングに見られるトラブル
どの領域にも共通しますけど、トラブル対策は、まず事前に防ぐことが先です。
しかし、それでもトラブルは起きてしまうことがあるので、トラブルが起きた時に講じるべき対策・施策を予め用意することがポイントです。
まずは、インフルエンサーマーケティングを実施する際に、インフルエンサーとの間にどのようなトラブルが起こりうるかを見て行きます。
なお、「PR効果が出ない」こともトラブルの一つだと考えられますが、ほとんどの場合、PRキャンペーンを正しく実施すれば、効果を必ず出せますので、詳しくは下記の関連記事をご参考ください。
商品を送った(サービスを提供した)のに、投稿してくれない
商品を送ったのにPR投稿をしてくれない、あるいは、サービスを提供したのに、PR投稿してくれないなどのトラブルです。
この類のトラブルは、商品をタダあげてしまったり、サービスを単に無料で提供したりすることになりますので、最も悪質なトラブルの一つと言っても過言ではありません。
PR投稿を事後に削除する
約束通りに投稿をしたものの、その後、投稿を削除するというトラブルです。
稀に、報酬が支払われてから、投稿を削除してしまう悪質なケースもあるようです。
このようなトラブルは、「商品を送った(サービスを提供した)のに、投稿してくれない」トラブルと同等に悪質なトラブルです。
こういうトラブルに遭った際に法的措置を取れるか?
商品を送った(サービスを提供した)のに、投稿してくれないトラブルと、PR投稿を事後に削除するトラブル、この類のトラブルは、単なる契約違反のみならず、法律的にもアウトであり、また、場合によっては犯罪にもあたります。
例えば、飲食店のPRキャンペーンで、食事を提供する代わりにSNSで宣伝してもらう契約なのに、インフルエンサーが食事した後に、一向にPR投稿してくれないケースですと、無銭飲食だという風に捉えることもできたりします。
もちろん、弁護士に相談するなり、代金の請求や被害届、刑事告訴などの法的措置を取るオプションもあるにはあるものの、金額も少ないことから、現実的には泣き寝入りせざるを得ないことも少なくありません。
ですので、インフルエンサーマーケティングを実施する際には、トラブル対応体制がしっかり整えている広告代理店・キャスティング企業やマッチングサイトを利用することがトラブル防止の基本です。
約束通りに期日内に投稿しない
PR投稿はしてくれたものの、約束した期日より大幅に遅れるトラブルです。
大幅に遅れたり、催促されたりしてからのPR投稿は、どうしても「やっつけ仕事」になりがちです。
特に、後述する、「隅っこ投稿、端っこ投稿、ついで投稿」や「指定のハッシュタグ、メンション、タグ付けがない」投稿になることが多いです。
更に、ほかの販促プランと組み合わせて、インフルエンサーマーケティングを実施するときに、期日内に投稿してくれないと、プロモーションの効果も薄まれてしまいます。
例えば、運営しているECサイトが今月末までに割引キャンペーンやポイントアップキャンペーンを開催しているため、インフルエンサーには今月末までに宣伝してほしいと依頼したところで、来月以降にPR投稿されても意味は全くありません。
悪い口コミ、マイナス評価が書かれる
不思議なことに、広告主の商品・サービスをPRする立場としてのインフルエンサーなのに、悪い口コミやマイナス評価を書くトラブルも少なくありません。
もしかしたら、そのインフルエンサー自身は、「正直コメント、辛口コメント」を売りにしたいがために、あえて悪い口コミやマイナス評価を書いているかもしれませんが、広告主にとっては全く面白くありません。
*ただし、嘘の書き込みを要求したり、ステマにあたる内容を要求したりするのはアウトなので、注意しましょう。
間違った商品・サービス説明の掲載
本来の商品・サービスの説明と異なる説明を掲載しててしまうトラブルです。悪い口コミ・マイナス評価と異なり、どちらかと言えば「うっかり」トラブルの類に入ります。
しかし、PR効果がなくなり、場合によっては購入者との思わぬトラブルまで発展する可能性もあります。
例えば、植物性の成分を動物性の成分で紹介したりすると、植物性の成分を求めている消費者からは購入されず、動物性の成分を求めている消費者からはクレームが入ります。
隅っこ投稿、端っこ投稿
商品を紹介する際に、商品を投稿写真もしくは動画のメインにせずに、端っこに置くというような投稿です。
ある意味、非常に厄介なトラブルです。
なぜならば、いちおう投稿はしているからであり、線引きが曖昧だからです。
しかも、ほかのトラブルのように「明らかに違反している」とは言い切れず、場合によっては隅っこ投稿、端っこ投稿のほうの効果が高いこともあります。
隅っこ投稿、端っこ投稿は本当によくないのか?実務上、隅っこ投稿、端っこ投稿のほうの効果が高いことはあります。
たとえば、育児・キッズ用品のPRですと、
一方で、明らかにPR効果がない「端っこ投稿」もあります。
たとえば、アクセサリーのPRまたは美容液のPRなのに、料理投稿の端のほうにアクセサリーや美容液を置くような投稿がこれに当たります。
ストリーズだけの投稿
ストリーズは24時間後に消える仕組みなので、ストリーズだけのPR投稿ですと、宣伝効果も24時間に限定されることになります。
特に、事前に「フィード投稿が必須」とか「ストリーズだけの投稿は認めない」などの取り決めがない場合には、このようなトラブルは起きやすいです。
悪意のないインフルエンサーであれば、「フィード投稿もお願いします」と伝えるだけで対応してくれるものの、悪いインフルエンサーだと、「ストリーズ投稿も投稿なので、投稿は果たした」と開き直ることもあるでしょう。
なお、このトラブルはインスタグラム(Instagram)とフェイスブック(Facebook)に限ったトラブルであり、YoutubeやTwitterなどのほかのSNSにはありませんが、今後、これらのSNSの仕様変更により、ストリーズのような機能が追加される可能性もあるので、
- 投稿の形式
- 投稿の期間
ただし、フォロワー1万人以上のインスタグラマーは、ストリーズにリンクを貼ることができますので、一概に「ストリーズ投稿はよくない」ことはありません。
指定のハッシュタグ、メンション、タグ付けがない
写真だけ、または写真と感想文(キャプション)だけのフィード投稿で、ハッシュタグもメンションもタグ付けもない投稿は、言うまでもなく、意味はありません。
広告主は、単に投稿してほしいから依頼しているのではなく、投稿したことによってPRの効果を求められており、その先にはブランド認知度の向上と商品の購入またはサービスの予約に繋げたいから、PRを依頼しているわけです。
特に、インスタグラマーにインスタグラム(Instagram)でPRを依頼する際には必ず気を付けなければならないトラブルです。
Instagramでは、フィード投稿にURLを掲載することができませんので、メンションもタグ付けもない投稿ですと、仮に、そのPR投稿を見たフォロワーや他の利用者が「この商品を購入したい!」、「私もこのサービスを受けたい」と思っても、どこからどう購入、どう予約すればよいかわかりません。
*厳密にいうと、URLを記載することはできるものの、単なるテキストなので、リンクとして機能しません。
誘導先のURLやリンクが記載されていない
Instagram以外のSNSは基本的にURLをリンクとして掲載できるので、誘導先のURLやリンクを掲載しないことも論外です。
同じように、そのPR投稿を見たフォロワーや他の利用者が「この商品を購入したい!」、「私はこのサービスを受けたい」と思っても、どこからどう購入、どう予約すればよいかわからないからです。
案件進行中に退会
広告主がインフルエンサーにPR依頼を検討中や案件が進行中の際、インフルエンサーがマッチングサイトから退会してしまったり、広告代理店・キャスティング企業との契約を解除してしまうトラブルがあります。
もしまだ依頼するか検討中、あるいは依頼決定後で商品の送付やサービス提供前であれば、影響は限定的ですが、
商品の送付やサービス提供後でPR投稿を待っている段階であれば、大きなトラブルに発展することがあります。
後ほど「トラブルを根本的に解決するための注意点」で詳しく説明しますが、
こういったトラブルは、本人確認制度を導入しているマッチングサイトや広告代理店・キャスティング企業を利用することで回避できる場合があります。
逆に言えば、本人確認制度がないマッチングサイトでは、トラブル発生時に対処する手段が限られてしまいます。
そのため、そういったサイトを最初から利用しないことが重要なポイントとなります。
不適切なコメントや投稿内容によるブランドイメージの悪化
インフルエンサーが不適切な言動や、議論を巻き起こすような投稿内容を含むPR投稿を行った場合、
企業のブランドイメージに悪影響を与えることがあります。
これにより、企業は予期せぬPRトラブルに巻き込まれ、マーケティング戦略が失敗するリスクが生じます。
インフルエンサーとのトラブルは必ず発生する
残念ながら、インフルエンサーマーケティングを実施しようとすれば、必ずトラブルに遭遇します。
確かに、広告代理店・インフルエンサーキャスティング企業を利用すれば、トラブルの発生率を低く抑えることができます。トラブルが発生した際にも、積極的に解決してくれます。
しかし、それでもトラブルを100%防ぐことはできない上で、それなりの費用(成約手数料・運用手数料など)もかかります。
更に、スモールビジネスに向いていないことや、現に質の低い広告代理店・インフルエンサーキャスティング企業も出現してきたことから、広告予算が限られている場合やコストパフォーマンスを最大限に高めたい場合には、マッチングサイトの利用が最も合理的な選択肢でしょう。
一方で、マッチングサイト場を提供する第三者であるため、「トラブルを解決したくても解決できない」事情があるので、マッチングサイトを利用する際には、トラブルを防止する方法、トラブルを根本的に解決する注意点を事前に知っておく必要はあります。
ここでは、「インフルエンサーとのトラブルは必ず発生する」、「マッチングサイトはトラブルを解決したくても解決できないことが多い」ことを覚えた上で、これから説明する「トラブルを防止する7つの方法」を見ていきましょう。
トラブルを防止する7つの方法
トラブルを防止するためには、案件を募集する時には、できるだけ募集要項を詳しく明記することが求められます。
募集要項に同意した上での応募は立派な契約ですので、事前に決められた要件に沿っていないPR投稿(もしくは、そもそも投稿しないこと)は契約違反になります。
加えて、契約違反の場合の対応も明記することで、事前にトラブルを防ぐことができ、万が一トラブルが発生した際の対応も取りやすくなります。
なお、PRキャンペーンの実施を広告代理店・キャスティング企業に委託した場合、これらのトラブル防止は基本的にやってくれるので、ここでは「マッチングサイトの利用」を前提に、説明していきます。
PR投稿の期日と期間を指定
他の販促プランと組み合わせてインフルエンサーマーケティングを実施している場合は、PR投稿する期間を事前に指定しましょう。
そうでない場合でも、たとえば、「商品到着後に2週間以内の投稿」のように、はっきりと「いつまでに投稿しなければならないか」を提示しましょう。
更に、「1ヶ月以内には削除しないこと」もしくは「投稿を削除しないこと」など、PR投稿の掲載期間も事前に決めましょう。
PR投稿の方法と形式、回数を指定
投稿の方法と形式は必ず指定しましょう。たとえば、
- フィード投稿だけでよいか?
- ストリーズ投稿の場合はハイライト設定を求めるか?
- そもそもストリーズ投稿は認めないか?それとも、フィード投稿とのセットならOKか?
- 投稿の回数と間隔は?
ハッシュタグ、メンション、タグ付けを指定
PR投稿の際に、掲載してほしいハッシュタグがあれば、事前に伝えましょう。とりわけ、インスタグラム(Instagram)で宣伝してもらう際に、自社Instagramアカウントへのメンションとタグ付けは「購入まで誘導するための導線設計」に必要不可欠なので、必須にしましょう。
導線の設計および確実に効果を出す方法の詳細は下記の関連記事をご参考ください。
誘導先のURLやリンクの掲載を指定
インスタ以外のSNSでインフルエンサーにPRを依頼する場合は、誘導先のURLやリンクの掲載を指定しましょう。
インスタの場合は、自社Instagramアカウントへの誘導になりますが、それ以外のSNSの場合は、目的に応じて、誘導先を指定すること。
たとえば、目的が「特定商品の購買」であれば、誘導先はウェブサイトのトップページではなく、「商品の購入ページ」に指定しましょう。
また、フォロワー1万人以上のインスタグラマーは、ストリーズにURLを掲載することができますので、同じ要領で誘導先のリンクを指定しましょう。
必要があれば修正に応じることを求める
「不適切な表現があれば、修正を求めることがあるので、それに応じること」のような文言を募集要項に入れることで、万が一、悪い口コミやマイナス評価を書かれた時も、対処しやすくなります。
そればかりでなく、薬事法や景品表示法に違反するような投稿内容の掲載をも防ぐことができますので、ブランドイメージのみならず、ビジネスを法的リスクから守ることもできます。
事前にアカウントと既存の投稿をしっかり確認
応募してきたインフルエンサーのアカウントと既に行った投稿をしっかりと確認することも、未然にトラブルを防止できます。
その際は、下記の項目を確認すると良いでしょう。
- ハッシュタグはきちんと付けているか?
- 隅っこ投稿、端っこ投稿はしていないか?商品を投稿のメインにしているか?
- メンション、タグ付けは行われているか?
- 投稿内容はしっかり書かれているか?
他社さんの案件を「約束通りに期日内に投稿」したかどうかは、直接に確認できないものの、大幅に遅れたり、催促されたりしてからのPR投稿は、どうしても「やっつけ仕事」になりがちなので、雑な投稿が多ければ多いほど、「約束通りに期日内に投稿はしてない」と見ていいでしょう。
隅っこ投稿、端っこ投稿の良し悪しを判別する方法
別のミニコラムで、「隅っこ投稿、端っこ投稿のほうの効果が高いことはある」と伝えましたが、では、効果があるかどうかをどう判断すれば良いでしょうか?
インフルエンサーの「隅っこ投稿、端っこ投稿」の効果を確認するために、アカウント見る際のポイントとしては、
- キャプション(説明文)に、きちんと商品を説明・紹介しているか?
- 説明文に商品の紹介に当てられた分量が多く、割合も高いか?
- コメント数は多いか?そのコメントは何についてのコメントか?
キャプション(説明文)に、きちんと商品を説明・紹介し、更に、その分量も多く、全体に占める割合が高ければ、少なくともインフルエンサーの「紹介する意欲」を確認することができます。
その意欲に対して、フォロワーと他のユーザがどのように反応してくれているかをコメントで確認できます。
結構重要なのは、「いいね」ではなく、「コメント」です。
「隅っこ投稿、端っこ投稿」の場合、「いいね」は残念ながら参考になりません。何に反応された「いいね」かわからないからです。それに対して、「コメント」の場合は、その内容から商品についてのコメントなのかどうかを判別することはできます。
商品に対するコメントが多く、しかも、インフルエンサーもコメントに返信し、コミュニケーションをとっているのであれば、「隅っこ投稿、端っこ投稿」はより良い効果が得られる可能性はあります。
逆に、コメントがない、もしくは商品に関するコメントがないのであれば、残念ながら、PRの対象物である商品は単なる飾り物にされているに過ぎません。
大切な商品を大事に取り扱ってくれないインフルエンサーへの依頼は控えましょう。
契約違反の場合の買取条項
約束通りにPR投稿を行わなかった場合は、インフルエンサーに商品を定価で買い取ってもらう条項を設けて、商品を発送する(サービスを提供する)前に、上述の条件と併せて同意してもらいましょう。
万が一、約束通りにPR投稿を行わなかった場合には、商品代金の請求権利が生じるため、トラブル発生の防止とともに、金銭的損失も抑えることができます。
トラブルを解決するための注意点
これまでに、インフルエンサーマーケティングによく見られるトラブルを見た上で、これらのトラブルを防止する7つの方法を見てきました。
いずれにしても、募集案件の詳細=契約内容をしっかりすることで対策できます。
しかしながら、事前にトラブル防止のための対策を取ったからとは言え、残念ながら、契約を破る人は契約を破ります。
インフルエンサーを採用する前に、アカウントと既存の投稿をしっかり確認し、問題がないと判断できても、あくまでも「これまでに、PR投稿をしっかりと行ってきた」だけであり、今後も同じように対応してくれるとは限りません。
ここからは、トラブルの発生を根本的に解決するための注意点を解説していきます。
本人確認制度があるマッチングサイトを利用
「トラブルを防止する7つの方法」で推奨している条件を契約にしっかり盛り込んだ上で、更にインフルエンサーが買取条項にも同意したからといって、相手が誰かはわからないと、請求しようにも商品またはサービスの代金を請求できません。
特に、インフルエンサーのSNSアカウントしかわからない場合ですと、厄介なことになります。
発送先の住所を把握しているとは言え、それが本当の住所でない限り、どうにもなりません。
そのため、本人確認制度があるマッチングサイトを利用することが極めて重要です。
積極的に解決してくれるマッチングサイトを見つけよう
既に説明した通り、マッチングサイトは第三者なので、解決したくても解決できないことが多いです。
そもそも解決したくないマッチングサイトは論外ですが、解決したくても解決できない状況におかれても、積極的にトラブルを解決できるように努めるマッチングサイトの利用が、トラブルを根本的に解決する最も重要なポイントです。
しかし、マッチングサイトが積極的に解決してくれるか否かは、多くの場合、実際にマッチングサイトを利用して見ない限り、更に言うと、トラブルが発生しない限り、わかりません。
ここからは、トラブル解決に対するマッチングサイトの姿勢を事前に確認する2つの方法を説明しますので、インフルエンサーマッチングサイトを利用する前に、ぜひ確認してみてください。
利用規約とQ&Aからの運営会社の姿勢を見極めよう
サイトを利用するときに、意外と見落としがちなのが利用規約とQ&Aです。
利用規約は文字数が多くて、読みづらいので、そもそも読まないし、Q&Aも不明な点がない限り、いちいち事前に確認しないことが多いでしょう。
実は、利用規約とQ&Aからは、マッチングサイトを運営している会社の姿勢に関する様々なヒントが得られます。
ここでは、マッチングサイトを利用する際に、事前に利用規約とQ&Aを見るポイントと提示しますが、個別の具体例につきましては、後程「一般的なインフルエンサーマッチングサイトのトラブル対応体制」で見ていきます。
利用規約を見るポイントとしては、
- 利用者間の紛争
- トラブル解決
- 利用者の自己責任
Q&Aは利用規約と比べて、読みやすいので、トラブル解決に関する部分のみならず、利用する上で役に立つ情報が多いので、一度は全部の内容に目を通すようにすると良いです(本来ならば、利用規約に関しても同じです)。
なお、基本的にほとんどのマッチングサイトが利用規約をウェブサイト上に公開していますが、マッチングサイトによっては、お問い合わせフォームのみ設置され、本登録・本契約時に初めて利用規約が公開されるように設計されていますので、実際に利用する前には、利用規約を必ずしっかり確認しましょう。
広告主の案件数を確認してみよう
広告主の案件数を公開しているマッチングサイトもしくはアプリでしか使えない方法ですが、広告主の数からは、実は、そのマッチングサイトの運営体制に関するヒントも秘めています。
端的に言えば、広告主に対するサポート体制がしっかり構築されていなければ、広告主は離脱してしまいますので、当然に案件数も少なくなります。
ただし、広告主(クライアント)の獲得は非常にコストがかかる営業活動であるため、新しいマッチングサイトの案件数が必然的に少なくなる傾向が見られるので、一概的に「案件数が少ない」=「体制が良くない」とは言い切れません。
一般的なインフルエンサーマッチングサイトのトラブル対応体制
これから、具体に個別企業の例を用いて、一般的なインフルエンサーマッチングサイトのトラブル対応体制を見て行きますが、予め下記の3点をご留意いただきたい。
第一に、これらのマッチングサイトの利用規約は、本記事を執筆している時点の内容であり、本記事も随時更新していきますけど、運営会社の姿勢や体制の変更により利用規約が最新情報でない可能性はありますので、最新情報につきましては、記載されたリンクより各社の利用規約を確認してください。
第二に、トラブル対応に関する条項において、「対応できかねない」、「責任を負わない」のような文言が記載されている場合、もしくは、そもそもトラブルへの対応についての記載がない場合においても、「対応したくても対応できない場合もある」ため、「対応しない」というスタンスの会社もあれば、実際には対応をしてくれるマッチングサイトもあります。
第三に、下記では、個別マッチングサイトのサイト名および運営している企業名を公開しているものの、決して個別マッチングサイトおよび企業を評価するものではないことをご留意ください。
実際に、例として挙げられたマッチングサイトは、いずれも、インフルエンサーマーケティング業界において、有名かつ評価の高い企業に運営されています。
あくまでも、本記事の内容をより理解していただくために、加えて、インフルエンサーマーケティング業界全体の健全化を目的に、トラブル対応体制がより整えやすい環境の形成を促すために、公開しているだけであることを、予めご理解ください。
トリドリベース(旧・コラボベース)のトラブル対応体制
利用規約の第5条第2項において、下記の記載があります。
サイト名:トリドリベース(旧・コラボベース)
運営会社:toridori Inc
URL:https://toridoribase.web.app/terms_of_service.html
利用規約閲覧日付:2021年9月13日
Woomy(ウーミー)のトラブル対応体制
サイト上には、利用規約を公表しておらず、Q&Aにおいても、広告主とインフルエンサーとの間にトラブルが発生した際、広告主を保護するための対応についての記載を確認できませんでした。一方で、広告主がインフルエンサーを募集する際に、応募者が5人につき1名以上の採用をしないと、広告主には違反金(5万円)が発生します。
サイト名:Woomy Casting(ウーミーキャスティング)
運営会社:株式会社 Woomy (ウーミー)
URL:https://woomy.me/casting/
サービスページ閲覧日付:2021年9月13日
LMND(レモネード) のトラブル対応体制
利用規約の第3.1条 (本サービスの内容)の第2項から、
サイト名:LMND(レモネード)
運営会社:UUUM(ウーム)株式会社
URL:https://lmnd.jp/term
利用規約閲覧日付:2021年9月13日
Cast Me! のトラブル対応体制
利用規約は公開されていないものの、Q&Aにおいては、「インフルエンサーとのトラブルに関して」というカテゴリが設けられています。そこには、
サイト名:Cast Me!
運営会社:株式会社 PLAN-B
URL:https://castmeendclient.zendesk.com/hc/ja
Q&A閲覧日付:2021年9月13日
AndBuzzのトラブル対応体制
2020年3月10日にリリースされたインフルエンサーマッチングサイトのAndBuzz(アンドバズ)は、現在、4,000社以上の広告主と1,600件以上の現在進行中の公募案件が掲載されています。
ここからは、AndBuzz(アンドバズ)ならではのトラブル対応体制について見て行きます。
積極的に介入するように規定した利用規約
多くのマッチングサイトが、「一切の責任を負わない」と記載するのに対して、AndBuzzは、利用規約の第9条第4項および第16条の「利用者間の紛争」において、
安心に利用できるための本人確認制度の導入
AndBuzzは電話認証(SMS認証)以外にも、本人確認制度を導入しており、本人確認手続きが完了されていない場合は、メッセージの送信、案件への応募はできません。
本人確認制度自体は、トラブル発生の抑制力とともに、万が一トラブルが発生した際に、AndBuzzの運営事務局や顧問弁護士事務所がより円滑に介入できるメリットをもたらします。
また、AIの活用やスタッフによるサイト巡回などにより、メッセージ内容を随時監視していますので、インフルエンサーが広告主に提示した住所(商品の送付先)が、本人確認手続きで提出した書類の住所と異なる場合には、該当インフルエンサーのアカウントを一時的に利用停止にした上で、状況説明および追加書類の提出を求めることにより、トラブルの防止を行っています。
メッセージ内容の分析によるトラブル防止
同じくAIの活用とスタッフによるメッセージの監視により、トラブルの発生可能性が高い取引を発見した場合には、広告主へ連絡し、トラブルはないかの状況確認を行います。
たとえば、メッセージのやり取りが、広告主からの「商品を発送した」で途切れてしまい、メッセージの内容からインフルエンサーからの「商品を受け取った」もしくは「投稿した」のメッセージがない場合です。
もしかしたら、「商品が届いていないのに、約束通りにPR投稿していない」可能性も考えられますので、直ちに広告主に連絡し、状況確認が行われます。
同時に、同じインフルエンサーの全てメッセージを確認し、他の広告主への確認も行われます。
当然に、トラブルの発生が確認された際には、被害が拡大されないために、そのインフルエンサーのアカウントの利用を制限するとともに、メッセージの履歴より、他に被害を受けた広告主はないかの確認も行われています。
自由度の高い案件設定機能
多くのインフルエンサーマッチングサイトでは、広告主がインフルエンサーを募集する時は、決められた項目を選択するだけで、案件を投稿することができますが、それでは、「トラブルを防止する7つの方法」で推奨している方法を案件詳細に記載できない恐れはあります。
それに対して、AndBuzzは、案件の詳細を自由に記載できるように投稿機能を設計しており、、「トラブルを防止する7つの方法」で推奨している方法はもとより、それをもとに自社の状況に合わせてカスタマイズすることもできます。
また、広告主が投稿する際の手間を減らすために、投稿用のテンプレート(ひな形)も用意されています。
広告主(スポンサー)向けの保障制度
トラブルが発生した際の保障制度も用意されています。
インフルエンサーが募集内容への同意(契約成立)や違反行為またはトラブルの確認ができることを条件に、AndBuzzが介入しサポートするとともに、広告主に対する保障・補償を行います。
条件や保障・補償内容の詳細につきましては、
スポンサー向けのサポート、保障制度のお知らせをご参考ください。
トラブル防止のため独自の退会処理制度
AndBuzzでは、独自の退会処理制度を設けており、「トラブルを起こした会員が退会することで責任から逃れる」ことを未然に防ぐことができます。
AndBuzzから退会される場合は、サイトにログインしている状態でお問い合わせフォームよりその旨を連絡すれば、退会申請は完了となりますが、会員のアカウント状態によって、その後の処理が異なります。
メッセージの送信履歴がない場合、案件へ応募していない場合は、そのまま退会となります。
一方で、メッセージの送信履歴がある場合は、AndBuzzのスタッフが全てのメッセージを確認し、メッセージの履歴より、進行中の案件はないか、トラブルはないか、などの確認を行います。
本記事のまとめ
インフルエンサーにPR投稿を依頼する際には、「広告代理店・キャスティング企業」か「インフルエンサーマッチングサイト・アプリ」を利用することになります。
前者のトラブル発生率は比較的に低く、ほとんどの代理店はトラブルを解決してくれるものの、それなりの費用もかかります。
広告予算が限られているスモールビジネスにとって、インフルエンサーPRキャンペーンの実施は、代理店に依頼するよりかはマッチングサイトのほうが採算に合うことは多いです。
どの方法にせよ、インフルエンサーとのトラブルは必ず発生しますので、事前にトラブルの発生を防ぐ方法を知ったうえで、トラブルが発生した際に問題を解決してくれるマッチングサイトを利用すれば、コストパフォーマンスを最大限に高めながら安心に利用できます。
しかしながら、マッチングサイトは、そのビジネスモデルの性質上、場を提供している第三者であるため、トラブルに対して、解決したくても解決できない事情を抱えています。
その結果、ほとんどのマッチングサイトは、サイト上に起きたトラブルに関しては、責任を負わないスタンスを取っています。
その一方で、AndBuzzは、マッチングサイトでありながらも、万が一トラブルが発生した際に、積極的に解決する姿勢と万全な体制が構築されているため、より安心かつコスパ高くインフルエンサーPRキャンペーンを実施したい場合は、いかなる費用も掛からないAndBuzzをぜひご検討ください。