人気職業YouTuber(ユーチューバー)になるには?始めるために必要な編集機材やソフトまで徹底解説
- YouTuberとは?
- YouTuberになるために必要なモノ
- カメラ
- マイク
- 三脚(スタンド)
- ライト(照明器具)
- 動画編集ソフト
- PC(パソコン)
- 動画を作成して公開する
- 動画を作成する手順
- 動画の構成や台本を作成する
- 動画を撮影する
- 撮影した動画を編集する
- 動画を公開する手順
- 動画の魅力が伝わるサムネイルを作る
- 動画の概要欄(説明欄)と終了画面(エンドカード)を設定する
- SNSを活用してユーザーに告知する
- 動画を作成する手順
- 人気チャンネルになるために必要なこと
- ジャンルとターゲット層を明確化する
- 最後まで見てもらえる動画をつくる
- できるだけ頻繁に動画を更新する
- 動画SEO(VSEO)で表示順位を上げる
- コメント欄やSNSでファンと交流する
- YouTubeから収入を得る方法5選
- 広告収入
- インストリーム広告
- バンパー広告
- オーバーレイ広告
- スーパーチャットやスーパーステッカー
- YouTubeチャンネルメンバーシップ
- 企業タイアップ案件(PR)
- 公式グッズ販売
- 広告収入
- YouTuberになるには?のまとめ
人気職業YouTuber(ユーチューバー)になるには?始めるために必要な編集機材やソフトまで徹底解説
世界最大級の動画共有サービス「YouTube」を通じて、さまざまな方法で収入を得る職業が「YouTuber(ユーチューバー)」です。子供たちの「将来の職業ランキング」だけではなく、社会人にもYouTuberとして活躍することを目指す人が増えています。
テレワークの普及やステイホームの習慣などにより、自宅で過ごす時間が長くなっていることから、YouTube自体の市場規模も急拡大しつつあります。YouTubeの運営元「Alphabet社」の発表では、2021年度の第3四半期(7月~9月)の収益は72億ドル(8,000億円)を超え、今後もさらなる成長が続くと期待されています。
しかし、具体的にどうやってYouTuberになればいいのか、どのような機材が必要なのかなど、分からないことだらけで悩んでいる人もいらっしゃるはずです。本記事では、YouTuberになるために必要な機材や、動画作成の手順などについて詳しく解説します。
ユーザーを惹きつけてチャンネル登録者数を増やすコツや、具体的な収益化の方法についても紹介します。これからYouTuberになろうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
YouTuberとは?
「YouTuber」とは、動画共有サービス「YouTube」で動画コンテンツを投稿して、何らかの収入を得ている人のことです。具体的にどのような方法で稼げるのかについては後述しますが、いずれの場合もYouTubeに投稿する動画をユーザーに見てもらうことで、収入を獲得できるという点がポイントです。基本的には下記のような流れで、YouTuberとして活動できるようになります。
- 必要な機材を揃えて動画制作の環境を構築する
- 自身のYouTubeチャンネルを立ち上げる
- 動画コンテンツを制作して公開する
- ファンを獲得して視聴時間とチャンネル登録者を増やす
- 「YouTubeパートナープログラム」への参加条件を満たす
- チャンネルを収益化した後は広告収入を得られるようになる
- YouTubeで生計を立てられるようにチャンネルを成長させていく
まずは、YouTubeに投稿する動画を制作するために欠かせない、カメラやマイク、動画編集ソフトやパソコンなどを準備します。動画制作の環境を構築できたら、自身の得意なことや強みを活かせるジャンルで、YouTubeチャンネルを立ち上げます。機材を駆使して動画を制作し、チャンネルに公開していきましょう。
順調に動画の制作と投稿を続けていくと、定期的に自身のチャンネルをチェックしてくれる「ファン」が増えていきます。ただし、この時点ではまだYouTubeで収益を得られません。YouTubeで広告収入を獲得するための条件である、「YouTubeパートナープログラム」へ加入するために、下記2つの条件を満たす必要があります。
- 1年間の総視聴時間が4,000時間以上になる 1,
- 000人以上のチャンネル登録者数を獲得する
YouTubeパートナープログラムへの参加は、後半で解説する収益化方法の大半で求められる条件です。特にハードルが高いのは「1,000人以上のチャンネル登録者の獲得」なので、ここをクリアするために、とにかくファンを獲得していきましょう。YouTubeチャンネルを収益化できたら、広告収入を得るための土壌が整います。ファンが増えるごとに広告収入も増え、次第にYouTubeで生計を立てられるようになるでしょう。
本記事では、YouTuberになるための最初のステップである、動画制作の環境構築に必要な機材をご紹介します。具体的にどれくらいのスペックの機材が必要なのか、どのようなタイプの製品が向いているのかについても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
YouTuberになるために必要なモノ
YouTuberになるためには、さまざまな種類の機材を揃えておく必要があります。ユーザーに見てもらえる動画をYouTuberとして提供するためには、それなりの品質を満たせる機材が欠かせません。きちんと機材を揃えておけば、動画の品質や制作の効率も向上します。
また、チャンネルのジャンルや特色によって必要な機材は異なるため、自身の理想とするチャンネルに合ったものを用意することも大切です。本章では、多くのYouTuberが動画制作で使用している下記6種類の機材について、ひとつずつ分かりやすく解説します。
- カメラ
- マイク
- 三脚(スタンド)
- ライト(照明器具)
- 動画編集ソフト
- PC(パソコン)
カメラ
多くのYouTuberにとってまず欠かせないのは、動画を撮影するための「カメラ」です。ゲーム実況系で顔出しをしない場合や、静止画メインのチャンネルを制作する場合を除き、大半のジャンルでカメラを準備しておく必要があります。動画撮影で使用されるカメラには、下記5種類のものがあります。
- スマホカメラ
- ビデオカメラ(ハンディカム)
- コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)
- ミラーレス一眼カメラ
- アクションカメラ
最も気軽に撮影できるのが、スマホ本体に内蔵されている「スマホカメラ」です。近年では、高解像度のカメラを備えた端末が増えているため、カメラを別途購入しなくても高画質な動画を撮影できます。コストを抑えたい場合は、まずスマホカメラで動画制作を始めて、慣れてきた段階でカメラを購入するといいでしょう。
動画撮影に特化した「ビデオカメラ(ハンディカム)」は、ハイクオリティな動画制作に向いている機材です。設計が動画撮影に最適化されているため、動きの多い映像を撮影に最適です。エンタメ系チャンネルやアスリート系チャンネルで、アクション性の高い動画を制作したい場合は、ビデオカメラ(ハンディカム)がおすすめです。
「コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)」は、本体がコンパクトなデジタルカメラです。高画質な写真や動画を撮影できるため、幅広い用途に使えます。また、後述する「ミラーレス一眼カメラ」とは異なり、レンズ交換が不要なためカメラ初心者でも安心です。低コストで動画撮影を始めたい方は、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)がおすすめです。
ミラーレス一眼カメラは、デジタル式の一眼レフカメラです。アナログ式の一眼レフカメラよりコンパクトで、持ち運びが容易なことが特徴です。コンパクトデジタルカメラとは異なり、レンズを自由に交換できるため、動画のテーマに合わせて多様な雰囲気を演出できます。とにかく映像にこだわりたい方は、ミラーレス一眼カメラが向いています。
「アクションカメラ」とは、自身の身体や自転車、自動車やサーフボードなどさまざまな場所に装着できるカメラです。スポーツやアウトドア風景を一人称視点で撮影するといった、他の種類のカメラでは撮影が困難な用途に向いています。臨場感あふれる動画コンテンツを制作したい場合は、アクションカメラがおすすめです。
上記5種類のカメラから、YouTubeチャンネルのジャンルや雰囲気に合わせて、適切なカメラを選択しましょう。
マイク
ユーザーが楽しめる動画を制作するためには、映像だけではなく音声も意識することが重要です。いくら映像が綺麗でも、音声がこもっていたり割れていたりすると、ユーザーは動画を視聴する気をなくしてしまいます。クオリティの高い動画を制作するために、カメラ内蔵のマイクではなく、下記5種類のいずれかのマイクを使用しましょう。
- ダイナミックマイク
- コンデンサーマイク
- ショットガンマイク
- ヘッドセットマイク
- ラベリアマイク(ピンマイク)
- スマホ用の外部マイク(外付けマイク)
「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」は、いずれも人の声もしくは楽器の音の録音に特化したマイクで、手に持ったりスタンドに固定したりして使います。いずれも音を拾う範囲を限定する「指向性」が設定されているため、拾いたい音だけを録音しやすいことが魅力です。ただし音を拾うための構造上の違いから、両者には大きな違いがあります。
ダイナミックマイクは単純な構造のため、環境の変化や衝撃に強く、価格も安いという性質があります。そのため、初めてマイクを購入する人や、自宅で声を録音したい人に向いています。ただし、感度が低くて音質面ではコンデンサーマイクに譲るため、「歌ってみた系」や「弾いてみた系」のような、音質を重視する用途にはあまり向きません。
一方で、コンデンサーマイクは感度が高いため、音楽系の動画を制作する場合に最適です。「Sennheiser(ゼンハイザー)」「AKG(アーカーゲー)」「Audio Technica(オーディオテクニカ)」など、有名なメーカーから高品質なマイクが販売されています。ただし、ダイナミックマイクより高価なため気軽に買えないことや、高温多湿や衝撃に弱いことが難点です。
「ショットガンマイク」は、カメラ上部に設置する細長いマイクで、狭い範囲の音を拾えることが特徴です。マイクを手に持ったり、スタンドに設置したりせず、通常どおりカメラで撮影する要領で録音できるため、手軽さと実用性を兼ね備えています。アウトドア系や旅行系、トークメインのエンタメ系やVlog系チャンネルに最適です。
「ヘッドセットマイク」は、ヘッドホンのように頭部に装着して、口元の部分にマイクがついているタイプです。ハンズフリーで撮影できることや、自身の声だけを集中的に拾えることから、ゲーム実況系やVlog系などに向いています。ただし、音質はあまり高くないため、音質を重視したい場合はダイナミックマイクかコンデンサーマイクがおすすめです。
「ラベリアマイク(ピンマイク)」は、衣服に挟んで装着するマイクです。テレビ番組で、アナウンサーやタレントが装着しているものをイメージすると、分かりやすいでしょう。マイクを持たずに録音できるため便利ですが、音を拾う能力は低いため、基本的には本人の声しか録音できません。検証系やVlog系のチャンネルに向いています。
スマホ本体のマイクを拡張できるのが、「スマホ用の外部マイク(外付けマイク)」です。スマホのUSB端子やイヤホンジャックに挿入して使うタイプで、接続端子や規格が合えば、コンデンサーマイクやピンマイクなどさまざまなマイクを接続できるため、幅広い用途に適合します。スマホで動画を撮影して、音質を重視したい場合はおすすめです。
上記のように、マイクには多様な種類のものがあるため、チャンネルや動画の用途に合ったものを選びましょう。高音質な動画コンテンツは、それだけでユーザーの満足度も高まります。
三脚(スタンド)
静止した状態で動画を撮影する場合は、三脚(スタンド)の使用は必要不可欠です。最近のカメラは、スマホでもコンパクトデジタルカメラでも、手振れ補正の性能が優れています。しかし、手に持って撮影するとどうしても画面の揺れが大きくなり、ユーザーにとって見づらい動画になります。三脚でカメラを固定すれば、動画のクオリティが向上します。三脚を選ぶ際は、下記5つのポイントを意識しましょう。
- 全高
- 水準器
- 積載重量
- 本体重量
- クイックシュー
一般的な三脚では、100cmから170cmの範囲で高さを調節できます。座った状態や立った状態など、撮影するシーンによって必要な高さも変わるため、調整の幅が大きなものを選ぶのがおすすめです。また、三脚やカメラの取り付け角度が傾くと見づらい映像になるため、傾きを確認できる水準器が搭載されていると便利です。
カメラ本体の重量が三脚の積載重量を上回ると、三脚が壊れる可能性があります。大型のビデオカメラ(ハンディカム)やミラーレス一眼カメラを使用する場合は、2kgから3kgの積載重量がある三脚を選べば安心です。ただし、三脚自体が重ければ持ち運びが大変なので、屋外で動画を撮影する場合は本体重量にも注意が必要です。
クイックシューは、カメラと三脚の間に装着するアクセサリーで、ワンタッチでカメラを着脱できるようになります。クイックシューがなければ、カメラの着脱が面倒になることもあるため、動画撮影を効率化したい場合はクイックシュー付きの三脚がおすすめです。三脚選びも意外と奥が深いので、自身の用途や撮影場所に合う三脚を選びましょう。
ライト(照明器具)
動画撮影において、ライト(照明器具)は極めて重要な役割を果たします。顔色や表情が綺麗に浮かび上がるだけではなく、動画全体が明るく見やすい印象になります。さらに、ライトの種類や使い方によって動画の雰囲気を自由に演出できるため、ジャンルを問わずに揃えておきたい機材です。
照明には「白熱灯」「蛍光灯」「LED」の3種類のものがありますが、コストパフォーマンスの良さや耐用年数の長さから、基本的にはどのような用途でもLEDライトがおすすめです。今回はLEDライトに絞って、下記2種類の照明ごとの特徴をご紹介します。
- リングライト
- ビデオライト
リングライトは、光を発する部分が円形のリング状になっているライトです。セッティングが非常に楽でありながら十分な光量があり、大型から小型までバリエーションが多いことが魅力です。
一方でビデオライトは、長方形のパネル型になっているライトです。バッテリー内蔵のものが多いため、持ち運びしやすく外出先でも便利なことや、小型のものはカメラに直接搭載できることが魅力です。
初心者の方には、基本的にLEDリングライトをおすすめします。目の前に設置するだけで使えて、細かなセッティングが不要だからです。ビデオライトは影が出やすく、角度調整に時間がかかります。
動画編集ソフト
YouTuberが最も時間と労力を費やしているのは、実は動画撮影ではなく編集だと言われています。わずか数分の動画を投稿するために、何時間も編集作業に時間をかけるほどです。動画編集の詳細については後述しますが、クオリティの高い動画を制作するためには、「動画編集ソフト」が欠かせません。
動画編集ソフトを使えば、シーンのカットや挿入、テロップやBGMの挿入、明度や音量の調整などさまざまな調整を簡単に行えるようになります。下記3つの動画編集ソフトは、YouTuberだけではなく動画制作一般で活用されているため、どのようなジャンルでもおすすめできます。
- Adobe Premiere Pro (Adobe)
- Final Cut Pro (Apple)
- AviUtl (フリーソフト)
「Adobe Premiere Pro」と「Final Cut Pro」はいずれも有料ソフトで、「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」「東海オンエア」「Fischer's」「水溜りボンド」など、トップクラスのYouTuberが使用しています。ただし、ソフトを購入するために、30,000円前後の費用がかかることが難点です。
一方で、AviUtlはフリーソフトなのでコストがかからず、使用できる機能も豊富です。機能を拡張できるプラグインを使用すれば、前述したソフトに見劣りしない機能も実現できます。初心者の方は、まず動画編集ソフトにAviUtlを使用して、動画制作のコツをつかんできた段階でAdobe Premiere ProかFinal Cut Proを購入するのもおすすめです。
PC(パソコン)
前述した動画編集ソフトはPC(パソコン)で使用するため、YouTuberとして活動するためにはPCが必須です。ただし、動画編集ソフトは相当のスペックを要求するため、ハイスペックなPCを用意する必要があります。
動画制作には「エンコード」と呼ばれる、制作した内容を動画として書き出すプロセスが必要になります。エンコードには、PCの頭脳部分である「CPU」の性能や、一度に処理できる情報量を左右する「メモリ」の容量が欠かせません。
動画制作というと「Mac」のイメージがあるかもしれませんが、前述した「Adobe Premiere Pro」の性能が相当に高まったため、現在ではWindowsを使用するYouTuberも増えています。Windowsユーザーが動画制作のために、わざわざMacへ乗り換える必要はないのでご安心ください。
ただし、Windows PCの場合は一般のメーカー品PCのコストパフォーマンスが良くないため、基本的には「ゲーミングPC」の購入をおすすめします。ゲーミングPCはゲーム専用ではなく、普段使いから動画編集まで、あらゆる用途で快適に使えます。ゲーミングPCは「ドスパラ」「ツクモ」「パソコン工房」など、さまざまなメーカーで購入可能です。
Macユーザーの場合は、iMacの27インチモデルを購入しておけば、Final Cut Proと組み合わせて快適な動画編集環境を構築できます。ただし、デスクトップ型で持ち運びができないため、外出先や旅行先でも使用したい場合は「MacBook Pro」を選びましょう。
動画を作成して公開する
YouTubeに動画を投稿するステップは、「動画制作」と「動画公開」の2つに分けられます。さらに細かく分類すると、動画制作には「構成」「撮影」「編集」の3つのステップ、動画公開には「サムネイル作成」「動画の詳細設定」「SNSによる告知」の3つのステップがあります。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | |
動画制作 | 構成 | 撮影 | 編集 |
動画公開 | サムネイル作成 | 動画の詳細設定 | SNSによる告知 |
動画制作の動画公開では、ステップごとの作業内容や必要なスキルがまったく異なるため、具体的にどのような手順で進めるのかを理解してことが大切です。本章では、各工程でどのような作業やスキルが必要になるのかについて、ひとつずつ分かりやすく解説します。
動画を作成する手順
自身のYouTubeチャンネルのジャンルや雰囲気に合う機材を揃えたら、いよいよ動画の制作に取り掛かりましょう。ただし、動画を制作する前にテーマとターゲット層について、大まかなコンセプトを設計しておく必要があります。コンセプト設計は決して難しくないので、初心者の方もご安心ください。
動画のテーマは「動画でユーザーに伝えたいこと」で、ターゲット層は「動画を見てほしい人」を指します。テーマはひとつに絞り込むと、ユーザーが動画の内容を理解しやすくなります。また、年齢や性別などからターゲット層をしっかり想定しておくと、ユーザーに「刺さる」動画を制作しやすくなるため、事前のコンセプト設計は重要です。
コンセプト設計ができたら、先ほどご紹介した3つのステップで動画制作を進めていきましょう。本章では、動画制作の3つのステップごとの工程や重要なポイントについて、分かりやすく解説します。
- 動画の構成や台本を作成する
- 動画を撮影する
- 撮影した動画を編集する
動画の構成や台本を作成する
動画を撮影し始める前に、必ず動画の「構成」と「台本」を作成しておきましょう。構成は全体の流れ、台本は会話やテロップの内容を指します。人気YouTuberの誰もが、撮影前に構成と台本の作成をしっかり行っています。この工程を省いていきなり動画を作成したら、話の進み方が分かりづらく、異様にカットが多い細切れの動画になってしまうでしょう。
構成作成時は「起承転結」を意識しましょう。まず「起」でユーザーの心をつかみ、「承」で話を発展させてひとつの山場をつくります。さらに「転」でクライマックスへの期待を煽る最大の山場を作り、「結」で話を畳みかけて動画のテーマを具体的に示します。
起承転結は時間配分のバランスが重要です。例えば、「起」の部分が多すぎると前置きが長く感じ、「転」が短すぎると単調なイメージを与えてしまいます。このあたりは分かりづらい部分ですが、動画制作の経験を積めば思いどおりに構成できるようになるでしょう。
設計した構成に合わせて、台本の作成も行っておきましょう。台本なしで話し始めると、言葉に詰まったり言い間違えたりして、そのたびに編集でカットする手間がかかります。初見のゲーム実況動画のような、事前の台本制作が困難なケースでも、こういう展開になったらこう話すなどのパターンを用意することは可能です。台本は必ず作っておきましょう。
動画を撮影する
構成と台本を作成できたら、動画の撮影を始めましょう。事前に揃えておいたカメラやマイク、ライトなどをセッティングして撮影を進めます。具体的な撮影の方法は、動画のジャンルによって大きく異なりますが、どのような動画であっても「ユーザー」と「編集作業」を意識することが重要です。
最も重要なことは、ユーザーが動画を見たときに感じる印象を考えながら、ユーザーの立場に立って撮影することです。例えば、話をするときはカメラの方を見て、アイコンタクトを取りながら話しましょう。目線が合うことで、ユーザーは「自分に話しかけてくれている」と感じ、動画に対するエンゲージメント(信頼や愛着)が高まります。また、トークをするときは口だけ動かすのではなく、身振りや手振りなどを適度に交えると、画面に動きが出てユーザーが退屈しにくくなります。
編集作業が楽になるように意識して、撮影に臨むことも大切です。重要なものが映っていないことが編集時に分かったら、もう一度撮り直さないといけません。例えば、商材のレビュー動画なら、商材がしっかり映るように注意します。編集時に何らかの問題が発覚したときは、予防策を考えて次回の撮影で同じミスが起きないようにしましょう。
撮影した動画を編集する
動画の撮影が完了したら、まずデータを別の場所へバックアップします。動画データの紛失や破損が生じると、もう一度撮り直さないといけません。ハードディスクやUSBメモリなど、2か所以上にバックアップしておけば万全です。それから、先ほどご紹介した動画編集ソフトで、動画データを読み込みます。初心者の方は、まず下記5種類の編集作業に慣れましょう。
- 動画素材を並べる
- カット編集
- テロップの追加
- BGMの挿入
- 音質の調整
動画の撮影は1回だけではなく、何回にも分割して行うことがほとんどです。すべての動画素材をタイムライン上に並べて、構成どおりに並べ替えましょう。そのうえで、言い間違えたり言葉に詰まったりするなど、余分な部分を次々にカットしていきます。ユーザーは動画のテンポを重視するため、ユーザー目線で快適な動画を意識してください。
次にテロップ(字幕)を追加します。難しい部分や聞き取りづらい部分だけではなく、雰囲気を演出するためにも字幕は重要です。テロップと同じように、BGMも雰囲気づくりのために重要なので、要素でフリー素材のBGMを挿入しましょう。
最後に全体の音質を調整します。場面によって音量差がある場合は、できるだけ均等な音量に揃えましょう。また、声がこもっているときは低音を減らしたり、ノイズが聞こえる部分はノイズをカットしたりすると、ユーザーが快適に動画を視聴しやすくなります。いろいろ注意すべき点があって大変ですが、ひとつずつ編集作業に慣れていきましょう。
動画を公開する手順
動画の制作と編集が完了したら、いよいよYouTubeに動画を公開します。ただし、投稿前に必ず動画データのバックアップを取っておきましょう。もし動画データに紛失や破損が生じると、大変な編集作業をもう一度やり直さないといけません。編集前と同じように、編集済みの動画データも2か所以上にバックアップしておけば万全です。そのうえで、下記3つのステップで動画を公開しましょう。
- 動画の魅力が伝わるサムネイルを作る
- 動画の概要欄(説明欄)と終了画面(エンドカード)を設定する
- SNSを活用してユーザーに告知する
動画の魅力が伝わるサムネイルを作る
最初に動画の「サムネイル」を作成します。サムネイルとは、動画タイトルと同時に表示される縮小画像を指します。サムネイルはYouTubeの「ホーム画面」「関連動画」「検索結果画面」の3か所で表示され、ユーザーがタイトルと合わせて最初に目にします。いわば本の「表紙」のようなものなので、ユーザーを惹きこむために魅力的なサムネイルを作成することが重要です。サムネイル作成時は、下記3つのポイントを意識しましょう。
- 動画の内容をイメージできるようにする
- テキストの文字数は10文字~20文字にする
- 見やすいテキストの配置や配色を意識する
サムネイルをひと目見ただけで、動画の内容を端的にイメージできるものにすることが重要です。画像は見せ場のシーンを切り抜いたものでも、サムネイル用に作成したものでも構いません。テキストと合わせて、ユーザーが思わずクリックしたくなるものを選びましょう。
テキストを追加する際は、タイトルと同じ文字を入れないようにしてください。文字数が長くなって可読性が低下し、分かりづらく冗長な感じをユーザーに与えてしまいます。10文字~20文字の範囲で、動画のテーマをアピールできる文言を入れてください。
テキストの配色や配置も重要です。重要な部分や漢字は大きく、それ以外の部分を小さくするとメリハリが出ます。3色~4色を使い分けると、動画の内容を視覚に訴求しやすくなります。ただし、サムネイルの右下部分には再生時間が表示されるため、ここには重要なテキストを置かないようにご注意ください。サムネイルの設定は、YouTubeの動画投稿画面の「サムネイル」から、「サムネイルをアップロード」をクリックすると行えます。
動画の概要欄(説明欄)と終了画面(エンドカード)を設定する
続いて動画の「概要欄(説明欄)」と「終了画面(エンドカード)」を設定します。概要欄は動画の内容を説明するための場所で、ここを丁寧に記載してから動画を投稿すると、動画に対するユーザーの理解や関心がさらに深まります。SNSや関連動画へのリンクを設置しておくと、再生回数やファンの獲得に効果的です。
投稿時に忘れやすいのが終了画面の設定です。終了画面は、動画を最後まで見たときに表示されます。一般的には、ここでチャンネル登録や高評価を促すボタンや、関連動画やSNSアカウントへリンクするボタンを表示することが一般的です。終了画面は下記の手順で設定できるため、投稿前に必ず設定しておきましょう。
- 「YouTube Studio」にログインする
- 左側のメニューから「コンテンツ」を選択する
- 編集する動画をクリックする
- 「終了画面」ボックスから、追加する要素を選択する
- 「保存」をクリックすると、終了画面の設定が完了する
ユーザーがクリックするだけでアクションを起こせるため、終了画面は積極的に活用したい機能です。終了画面を作成するときは、ボタンだけではなくテキストも表示することがコツです。「ご視聴ありがとうございました」や「チャンネル登録をお願いします」など、ユーザーに語りかけるようなテキストがあると、ユーザーに好印象を与えられます。
SNSを活用してユーザーに告知する
YouTuberとして活動する際は、投稿した動画をYouTube内で完結させず、自身の活動を外部でアピールすることも重要です。YouTubeはTwitterやInstagramなど、SNSと極めて相性が良いメディアです。YouTubeチャンネルと合わせて、ぜひともSNSアカウントも立ち上げてみましょう。良質なコンテンツはSNSユーザー同士で拡散されるため、YouTube単体での運用とは桁違いの集客効果を得られることもあります。
YouTubeに動画を投稿したら、SNSアカウントで必ず告知を行いましょう。動画へのリンクはもちろん、動画の内容に関する簡単な説明文を加えると、興味を持ったユーザーがSNSからYouTubeへ流れ込みます。ユーザーが動画の感想を伝えてくれたときは、フレンドリーかつ丁寧な返信で、感謝の気持ちを伝えましょう。
ちなみに、SNSアカウントはプライベート用とはしっかり区別して、YouTube専用のアカウントを作ることが重要です。プライベートでの言動が原因で、チャンネルが炎上するという事態を防げます。SNSはふとしたことで炎上するため、YouTubeとSNSをセットで運用するときはリスク管理に注意が必要です。
人気チャンネルになるために必要なこと
YouTuberとして成功するためには、機材の準備や手順の理解だけではなく、ファンを獲得するコツについても知っておくことが大切です。Bloombergの発表によると、96.5%のYouTuberは年収約12,000ドル(約120万円)未満となっており、YouTuberで生計を立てることがいかに難しいかが分かります。
近年では、YouTuberとして活動する人が急増しているため、YouTuber同士の競争が激化しています。YouTubeによる収入額は、基本的にチャンネル獲得者数と比例するので、ファンを増やすことが重要です。そのためには、的確な戦略設計やユーザー目線の動画制作、SNSの活用などが欠かせません。本章では、ファンを獲得して人気チャンネルになるために必要な、下記5つのコツについて詳しく解説します。
- ジャンルとターゲット層を明確化する
- 最後まで見てもらえる動画をつくる
- できるだけ頻繁に動画を更新する 動画SEO(VSEO)
- で表示順位を上げる
- コメント欄やSNSでファンと交流する
ジャンルとターゲット層を明確化する
YouTubeチャンネルの運営を始める前に、チャンネルの「ジャンル」と「ターゲット層」を設定することが大切です。ジャンルは自身のチャンネルでどのような動画を掲載するか、ターゲット層はどんな人に見てもらいたいかを指します。
YouTube上には、さまざまなジャンルのチャンネルがあります。エンタメ系・ゲーム実況系・アウトドア系・フィットネス系・アスリート系・VTuber系などさまざまです。チャンネルのジャンルを決めるときは、自身の知識や得意分野を活かせるジャンルを選びましょう。
そのときのトレンドや稼げそうなジャンルを選ぶのは、基本的にはおすすめできません。自身が興味を持てない分野を選ぶと、モチベーションの維持が難しくなるからです。「好きこそ物の上手なれ」と言うように、好きな分野の動画を作る方が、将来的に稼ぎやすくなります。
ターゲット層の想定も重要です。すべてのユーザーに「刺さる」コンテンツは作れません。幅広いユーザー層を取り込もうとするのではなく、特定のユーザー層に絞り込んで、熱心なファンを獲得する方が効果的です。例えば、アウトドア系のチャンネルなら、「キャンプが好きな30代~40代の男性」など、具体的なターゲット層を設定しましょう。
最後まで見てもらえる動画をつくる
YouTubeユーザーは「ハイクオリティな動画」を求めています。ただし、ハイクオリティとは「技術の高さ」ではなく、「最後まで見たくなる動画」を指すことがポイントです。ユーザーが最後まで楽しめるようなコンテンツを増やすと、下記2つのメリットを得られます。
- ユーザーがチャンネル登録をしたくなる
- YouTubeの評価が高まり表示順位が上がる
何らかの知識や情報を得られる動画や、面白いコンテンツを視聴できたユーザーは、そのチャンネルをフォローしたくなります。チャンネル登録をしたユーザーには、新しい動画を投稿したときに自動的に通知が届くため、定期的に動画を見てくれるようになります。
しかも、動画を最後まで見てくれるユーザーが増えると「視聴維持率」という指標が上がり、YouTube側の評価が高まります。視聴維持率が高い動画は、動画検索の結果で上位表示されたり、おすすめ動画に表示されやすくなったりするため、より多くのユーザーが流入しやすくなります。
ユーザーが最後まで見たくなる動画とは、視聴することで何らかの利益を得られるものや、ストレスなく快適に視聴できるものです。常にユーザー目線で企画を構成し、ユーザーが求めるコンテンツや情報を提供しましょう。また、編集時はカットやテロップの挿入方法、音量や音質の調整などを意識して、ユーザーが快適に視聴できる環境を整えることが重要です。
できるだけ頻繁に動画を更新する
動画の更新頻度も、チャンネルを成長させる重要な要素です。動画のクオリティ向上に注力していると、とにかく編集に時間がかかってしまいます。チャンネル開設当初は作業に慣れていないため、編集に要する時間もより長くなるでしょう。
しかし、動画投稿の頻度があまり低すぎると、ユーザーの関心が薄れてしまいかねません。前述したように、YouTuber同士の競争は年々激化しているため、いかにファンの心をつなぎとめるかが重要です。エンタメ系やゲーム実況系は特に競合が多いため、更新頻度が低すぎると、ユーザーが他のチャンネルに流れてしまいます。
動画は最低でも1週間あたり1本、できれば2日~3日に1本以上のペースで投稿したいところです。そのためには、編集時に細部までこだわりすぎずに、カットやテロップ挿入など「要点」だけを押さえて、効率的に作業することも必要です。
動画SEO(VSEO)で表示順位を上げる
多くのYouTubeユーザーは、動画検索でキーワードを入力して、結果画面に表示された動画から選んで視聴します。通常のWebサイトと同じく、動画コンテンツも表示順位が高いほど、より多くのユーザーが流入しやすくなります。稼げるYouTuberになるためには、「動画SEO
(VSEO)」を意識して、動画の表示順位を上げることも重要です。Webサイトと動画のSEOが異なる点は、動画はテキストとは異なり、コンテンツの中身そのものを検索エンジンが評価できないという点です。そのため、YouTubeの検索エンジンは、基本的に「タイトル」「タグ」「概要欄」などの要素で動画を評価します。
動画のタイトルは32文字以内で、動画のテーマとユーザーの検索意図に合致したキーワードを使用します。タグにはタイトルで使用したキーワードと合わせて、関連したキーワードも設定しましょう。概要欄にもそれらのキーワードを盛り込みつつ、動画の内容ができるだけ分かりやすいように記載します。これらの対策により、検索エンジンが動画コンテンツを評価しやすくなります。
コメント欄やSNSでファンと交流する
ファンを獲得できるようになったら、少しずつ各動画にユーザーがコメントを投稿してくれるようになります。コメントがあれば通知が来ますが、決して放置しないようにしましょう。コメントにはできるだけ早く、なおかつ丁寧に返信してユーザーとの交流を図るようにすると、ユーザーのロイヤリティ
(愛着)が向上します。ほとんどのユーザーは、チャンネルやYouTuberに関心があるからこそ、コメントを投稿します。YouTuberから返信があればユーザーは喜び、これからも頻繁にコメントをしてくれるようになります。他のユーザーが一連のやり取りを見ると、「このYouTuberは誠実」だと感じ、新たなファンになってくれるかもしれません。
コメントだけではなく、SNSでフォローしてくれたファンとも積極的な交流を図ると、ロイヤリティはさらに高まります。ファンのロイヤリティが高いチャンネルは、コメントの投稿数や高評価も増えます。コメント投稿数や高評価数は「エンゲージメント指数」を高め、YouTubeはこの数値を動画やチャンネルの評価基準としています。つまり、コメント欄やSNSでファンと交流すると、動画の表示順位も上がるということです。
YouTubeから収入を得る方法5選
YouTuberとして生計を立てるためには、YouTubeから安定的に収入を得る必要があります。YouTubeにはさまざまな収益化方法が用意されており、YouTuberは複数の方法を組み合わせて収入源を確保しています。
収入が安定すればYouTuberとして動画制作に専念できるため、コンテンツのクオリティも向上させやすくなり、それが新たなファンの獲得につながります。そのため、YouTubeの収益化方法について知っておくことは極めて重要です。本章では、YouTubeで利用できる下記5つの収益化方法について、概要を解説します。
- 広告収入
- スーパーチャットやスーパーステッカー
- YouTubeチャンネルメンバーシップ
- 企業タイアップ案件 (PR)
- 公式グッズ販売
広告収入
「広告収入」は、YouTube動画に挿入される広告により、収益を得られる方法です。広告収入は、企業がYouTubeに広告を出稿する際に支払った広告費の一部が、条件を満たした段階でYouTuberに支払われます。
ただし、「UUUM(ウーム)」のようなYouTuber事務所に所属している場合は、広告収入から2割前後が手数料として徴収されます。YouTuber事務所に登録する際は、そういった条件についても詳しく確認しておきましょう。
引用元:UUUM 成長可能性に関する資料
広告収入は、YouTuberにとって最も基本的な収入源ですが、単価が低く収入が不安定になりやすいことが難点です。収益を得られる広告フォーマットの代表例として、下記3種類のものがありますが、平均的な単価は1回再生されるごとに0.05円~0.3円ほどです。チャンネル規模が小さなYouTuberの場合は、0.1円前後のことがほとんどだと考えられています。
- インストリーム広告
- バンパー広告
- オーバーレイ広告
上記の広告は、YouTuberが動画を投稿した段階で、自動的に挿入されます。広告の内容自体は選べませんが、動画内でどの広告フォーマットをどれくらい挿入するかについては、YouTuber側が設定画面である程度は変更できます。広告フォーマットによって、再生時間やスキップの可否が異なるため、広告の挿入数やタイミングはユーザーのエンゲージメントに影響します。
したがって、YouTuberとして稼ぐために、上記3種類の広告フォーマットを理解することは極めて重要です。それぞれの広告フォーマットの特徴や、大まかな収益発生タイミングについて、概要を見ていきましょう。
インストリーム広告
「インストリーム広告」は、ユーザーが最も目にする機会が多い、YouTubeの標準的な動画形式の広告フォーマットです。動画の再生が始まる前、再生途中、動画が終了した後のいずれかのタイミングで、インストリーム広告が表示されます。インストリーム広告には、下記2種類のものがあることが重要です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
上記2つの広告フォーマットは、再生時間とスキップ可否、収益発生タイミングが異なります。スキップ可能なインストリーム広告の再生時間は15秒以上で、5秒間見た段階でスキップできるようになります。ただし、収益発生タイミングは下記のように、比較的厳しいです。
- 広告が30秒未満の場合は、ユーザーが広告を最後まで見た段階
- 広告が30秒以上の場合は、ユーザーが30秒以上広告を見た段階
一方で、スキップ不可のインストリーム広告は再生時間は15秒ですが、ユーザーは最後までスキップできません。ただし、スキップ不可のインストリーム広告は、ユーザーが最後まで視聴するため、収益が発生するチャンスが非常に高い広告フォーマットです。スキップ不可のインストリーム広告は、挿入数が多すぎるとユーザーのエンゲージメントが低下するため、広告の設定時は注意が必要です。
バンパー広告
「バンパー広告」は、6秒間の短い動画形式の広告フォーマットです。表示されるタイミングはインストリーム広告と同じで、動画の再生が始まる前、再生途中、動画が終了した後のいずれかのタイミングです。ただし、ユーザーは6秒間経過して広告を見終わるまで、スキップできません。
バンパー広告の収益発生タイミングに関しては、YouTube公式が詳細を明かしていないため不明です。ユーザーが広告を見終わった時点で収益が生じる、あるいは1,000回再生されるごとに収益が生じるといった推測があります。いずれにせよ、バンパー広告は収益が生じやすい広告フォーマットですが、広告収入の単価はあまり高くないようです。
バンパー広告はスキップこそできませんが、再生時間が6秒間と短いため、ユーザーの動画視聴の邪魔になることは少ないです。しかし、最近はバンパー広告が2回連続で流れることが増えているため、挿入タイミングが増えすぎるとユーザーのエンゲージメントが低下する可能性があります。
オーバーレイ広告
オーバーレイ広告は、動画下部のエリアに半透明で表示される、バナー形式の広告フォーマットです。画像とテキストから構成されており、インターネットのバナー広告と同じように、ユーザーがクリックした段階で収益が生じます。オーバーレイ広告が表示されるだけでは収益は生じませんが、それだけ単価は高く設定されているようです。
オーバーレイ広告の注意点は、ユーザーの動画視聴の邪魔になってしまう可能性が高いということです。画面下部の広い範囲を占有するため、動画の内容やテロップなど、ユーザーにとって重要な情報が隠れてしまいかねません。しかも、オーバーレイ広告はユーザーが「×」ボタンをクリックしないと消えないため、ユーザーが手間とストレスを感じてしまいます。
オーバーレイ広告はランダムなタイミングで表示されますが、YouTuber側でオーバーレイ広告を無効化できます。ユーザーの快適性を最大限に考慮するのであれば、オーバーレイ広告は無効化しておく方が、ユーザーのエンゲージメントは向上します。収益性の観点からオーバーレイ広告を活用したい場合は、画面下部に重要な情報を設置しないようにするといった、ユーザー目線での対策が必要になるでしょう。
スーパーチャットやスーパーステッカー
「スーパーチャット」や「スーパーステッカー」は、いわゆる「投げ銭」と呼ばれる機能です。YouTuberがライブ配信を行っているときに、チャット画面でユーザーが最大100円~50,000円の範囲で任意の金額の寄付ができます。ファンの数が多ければ、投げ銭を得られる機会も増えるため、YouTuberにとって大きな収入源となります。
スーパーチャットやスーパーステッカーは、ライブ配信中でなければ使えませんが、最近は新しい機能として「スーパーサンクス」が導入されました。これは、ライブ配信中ではなく通常の投稿で、ユーザーが投げ銭できるというものです。これら3種類の投げ銭機能により、YouTuberは広告収入と合わせて安定的な収入源を確保できます。
ただし、スーパーチャット・スーパーステッカー・スーパーサンクスのいずれも、YouTubeパートナープログラムに参加していないと利用できません。冒頭でご紹介した「総視聴時間4,000時間」「チャンネル獲得者数1,000人以上」の条件を満たす必要があるため、まずは動画投稿数を増やしてファンの獲得に専念しましょう。
YouTubeチャンネルメンバーシップ
「YouTubeチャンネルメンバーシップ」は、ユーザーが月額料金を支払ってチャンネルの有料メンバーシップに加入することで、ユーザーがメンバー限定の特典を得られるという機能です。月額制ということもあり、毎月安定的に収入を得られるという点が魅力です。
YouTubeチャンネルメンバーシップの月額料金は、YouTuberが90円~6,000円の範囲で設定できます。金額が低ければ多くのユーザーが加入しやすい反面、メンバー1人あたりから得られる収入額は少なくなります。一方で、金額が高ければ1人あたりの収入は増えますが、ユーザーが参加しづらくなるため注意が必要です。需要と供給のバランスを考えて、月額料金を設定しましょう。一般的には、500円前後のチャンネルが多いようです。
YouTubeチャンネルメンバーシップでは、ユーザーに提供する特典の内容を設定できます。メンバー専用のバッジや絵文字、限定動画やライブ配信などさまざまです。ただし、事前に告知した特典がきちんと提供されていなければ、ユーザーのエンゲージメントが低下するので注意が必要です。
限定動画やライブ配信などは、制作のために通常の動画以外の工数や手間がかかります。YouTuber活動に慣れていないタイミングでは、安定的な供給が難しくなり、通常の動画制作にも差し支えるかもしれません。そのため、まずはチャンネルの成長を最優先課題として、YouTubeチャンネルメンバーシップの提供は、チャンネルが十分に成長して活動に慣れた段階で行うことをおすすめします。
企業タイアップ案件(PR)
「企業タイアップ案件」は、企業とYouTuberが契約して、YouTuberが動画内で企業の商品やサービスなどを紹介するというものです。有名YouTuberになると、案件1件で100万円以上を稼げると言われているほど、単価の高さが企業タイアップ案件の魅力です。
基本的には、企業の理想の合致するYouTuberに対して、企業側が案件の打診を行います。YouTuber事務所に所属している場合は事務所を通しますが、無所属の場合は企業が直接アプローチします。そのため、YouTubeのチャンネルや動画の概要欄には、必ずSNSアカウントやEメールアドレスなど、連絡先を記載しておくことが重要です。
企業とYouTuberが条件や動画内容の擦り合わせを行い、それを基にYouTuberが動画を制作して公開するという流れで進みます。報酬の支払いタイミングは、契約の内容によって異なります。企業側が動画の内容を確認した段階、成果を確認できた段階など、事前に合意したタイミングで報酬が支払われます。
企業タイアップ案件の注意点は、動画の内容が制限されることです。企業案件では、あくまで企業のニーズを満たすための動画を制作するため、普段と同じような自由度の高い動画制作はできません。企業案件が増えると収入額も増えますが、一方でユーザーとしてはビジネス色が強くなった動画を退屈に感じることがあるため、ユーザーのエンゲージメントは低下します。企業案件はバランスを考えて受注することが重要です。
公式グッズ販売
「公式グッズ販売」は、YouTuberが独自に製作した公式グッズを、YouTube動画ページの「グッズ紹介セクション」で販売できる機能です。YouTuberは「公式グッズ販売パートナー」と契約し、販売したいアイテムを登録します。審査基準を満たしたアイテムは、グッズ紹介セクションされて、興味を持ったユーザーが購入してくれます。
公式グッズ販売で販売されるグッズは、一般的にTシャツやアクセサリー、帽子や手袋などが多いようです。YouTuberが自身の活動をアピールできる、オリジナリティの高いデザインを取り入れることが重要です。例えば、動画内で発することが多い「口癖」や「決め台詞」、「キャッチコピー」のようなものがあればグッズ化を検討してみると良いでしょう。動画のコメント欄やファンのSNSで引用されているものがあれば、ユーザーの認知度が高いためより効果的です。
ただし、公式グッズ販売には相当の経費がかかるため、需要と供給やコスト計算の感覚が重要です。例えば、Tシャツの制作や保管のコストは高く、一定数以上を販売できなければ赤字になります。そのため、公式グッズの販売プロジェクトは、チャンネル規模が相当のものに成長した段階で、慎重に行うことをおすすめします。
YouTuberになるには?のまとめ
YouTuberになるためには、必要な機材を揃えて動画制作の環境を構築し、ユーザーが「最後まで見たい」と思える動画を制作することが重要です。そのためにも機材の選定は重要なステップなので、今回ご紹介した内容を参考にして、自身のチャンネルのジャンルや雰囲気に合うものを選びましょう。
カメラとマイクは、ハイクオリティな映像と音声を撮るために欠かせません。スマホでの代用も可能ですが、初めからそれなりの品質の機材を揃えておく方が、ファンを獲得しやすくなります。動画編集ソフトの動作にはハイスペックなPC(パソコン)が欠かせないため、WindowsならゲーミングPC、MacならiMacの27インチモデルを検討しましょう。
YouTuberは、今でこそ多くの人が注目する職業になっていますが、実際には極めて多くの時間と労力を要する職業です。わずか5分の動画を制作するために、撮影と編集に半日以上を費やすこともあるほどです。しかし、良質なコンテンツを増やせば収益を得られ、トップYouTuberになると年収1億円を超えるなど、やりがいと夢のある職業であることも確かです。
しかしながら、YouTuberになるための環境構築や、ユーザーに刺さるコンテンツ制作のための「ネタ」探しに、課題を抱えている人も少なくありません。「ANDBUZZ」では、駆け出しのYouTuberの方でも、ユーザーに刺さるコンテンツを制作しやすい環境を提供しています。将来的に広告収入や企業案件を獲得できるようになるためにも、まずは弊社にご相談ください。