一昔前までは知りたい情報があれば「ググる（グーグルで検索する）」のが当たり前でしたが、SNSの台頭により、特に若年層においては「ググる」より「タグる（ハッシュタグ検索する）」のがスタンダードになっています。そのため、SNS戦略においてハッシュタグは超がつくほど重要なものです。

今回は、SNSマーケティングの主要な武器となる、ハッシュタグの付け方から選び方を解説します。

ハッシュタグの役割

ハッシュタグとは、Instagramで投稿する際にキャプション（投稿文）に入力する「#」からはじまる単語のことを言います。Google検索と同様に、Instagramでも知りたい情報をハッシュタグページの検索窓に入力すると、関連性の高い投稿が検索結果として表示されます。この関連性の高い投稿を検出するのにハッシュタグが利用されているため、投稿にハッシュタグを付けるか付けないかによって、投稿への来訪者数（リーチ数）にも影響が出てくるのです。

そのため、ハッシュタグはインスタグラマーや企業が、より多くの「いいね」を集めたり、フォロワーを増やしたりするためにも欠かせない存在と言えるでしょう。

ハッシュタグの付け方

インスタでハッシュタグを付けられる投稿は、下記の3つです。

• フィード投稿
• ストーリーズ
• リール

ハッシュタグに用いるシャープは半角でなければいけません。また文字と数字は使用できますが、特殊文字の使用はできないので留意しておきましょう。

ハッシュタグの付け方のルール

のルhール

ハッシュタグを付ける際は、下記のようなルールがあります。

• シャープは半角
• 「#」+「ハッシュタグの内容」で入力する
• ハッシュタグは、1投稿に30個まで。ストーリーは10個まで
• 非公開アカウントにハッシュタグを付けても、ハッシュタグページには表示されない
• アダルトや差別表現、スラングなど、使えない表現もある

ハッシュタグとして機能している場合、投稿後にハッシュタグとして記載した内容が青くなり、リンクとしての機能を持つようになります。後述するハッシュタグ候補を利用してハッシュタグを設定した場合は、後ろの半角スペースは自動で入力されます。以 前は半角スペースがないとハッシュタグとして認識されませんでしたが、現在は半角スペースがなくても認識されるようになっています。

また、ハッシュタグの数について、31個以上記載できないわけではありません。しかしエンゲージメント（ユーザー同士の交流率）においても重要な、コメントの投稿ができなくなるため避けた方が無難です。

フィード投稿へのハッシュタグの付け方

フィード投稿へのハッシュタグの付け方は以下のとおり、とても簡単です。AndroidとiPhoneでの設定方法に違いはありません。

フィード投稿とは、Instagramのメインの投稿のことを言います。そのフィード投稿にハッシュタグを付ける際は、通常どおり新規作成から写真を選択。投稿文（キャプション）と一緒にハッシュタグを入力するだけです。ハッシュタグは内容を入力すると、上記のように候補が出てくるので、それを利用しても良いでしょう。

キャプションとハッシュタグの入力が終わったら、通常どおり投稿ボタンで投稿します。ハッシュタグとして認識されれば、投稿後は画像のように青字で表示されます。

ストーリーズへのハッシュタグの付け方

ストーリーズへのハッシュタグの付け方は2通りあります。

■スタンプで付ける Instagramのマイページか、メインページの左上にある自分のアイコンをタップして、通常どおりストーリーの投稿画面を開きます。画像を選んだら、スタンプマークをタップ。「#ハッシュタグ」のスタンプをタップして、内容を入力すれば、上記のようにスタンプでのハッシュタグを設定できます。

■文章で入力して付ける 文章でハッシュタグを設定する場合も、通常どおりストーリーを投稿する画面から行ないます。画像を選択したら、「Aa」の文字入力マークをタップします。その後は、フィード投稿と同じように、「#」とハッシュタグの内容を入力するだけです。

リールへのハッシュタグの付け方

2020年に登場した機能であるリールにもハッシュタグを設定できます。

リールの場合は、まず投稿する動画の撮影が必要です。その後、プレビュー画面での編集が終わったら「次へ」を押し、キャプションの設定画面に進みます。フィード投稿と同じく、キャプション内にハッシュタグを記載して、投稿すれば画像のようにハッシュタグが設定されます。

ハッシュタグの選び方

ハッシュタグの選び方に、これといったルールはありません。しかし、ハッシュタグ検索で鍵となるものなので、投稿との関連性の高いものにするのが一般的です。候補がすんなり浮かばない場合は、メインのキーワードでタグ検索を行ない、出てきた候補を参考にするのも良いでしょう。

タグ検索からハッシュタグを探す

タグ検索でメインキーワードを入力すると、該当キーワードに関連する、そのときのトレンドや拡散力の高いハッシュタグを確認できます。ハッシュタグページには投稿数の多いハッシュタグが表示されるので、これらを参考にしてハッシュタグを設定するのも一つの手です。タグ検索のやり方は以下のとおりです。

投稿内容に関連したハッシュタグを選ぶ

ハッシュタグは投稿の内容と自身の属性に関連するものから選びましょう。そうすることで、自分と似たような属性の人にリーチしやすくなり、交流が生まれやすくなります。つまりエンゲージメントを高められるので、ハッシュタグページの上位に表示されやすくなるのです。

また、投稿を見て欲しい人が、必ずしもこちらが設定したキーワーで検索するとは限りません。そのため、メインのキーワードから派生する言葉を設定しておくのがおすすめ。リーチするワードが増えるので、投稿を見つけてもらえやすくなります。たとえば星空の写真をアップした場合、「#星空」だけでなく、「#綺麗な星空」や「#満天」といったワードを複数、盛り込むと良いでしょう。

検索ボリュームから選ぶ

明確な基準はありませんが、ハッシュタグは検索ボリュームごとに、下記のように分類されます。

分類	意味	傾向
ビッグワード	多くのユーザーがハッシュタグ設定しているワード	単一ワードが多く、ニーズが漠然としている傾向にある。検索結果上位（＝人気投稿）に表示されにくい。
ミドルワード	ある程度の数がハッシュタグ設定されているワード	ビッグワードよりもユーザーの興味関心が高い傾向にある。
スモールワード	あまりハッシュタグ設定されていないワード	ミドルワードよりもさらにユーザーの興味関心が高く、ニッチな傾向にある。比較的、人気投稿に表示されやすい。

ハッシュタグ設定される数が多い、ということはユーザーの興味関心が高い内容であることが推測できます。多くのユーザーがリーチする可能性があるため、ビッグワードばかり設定したくなりますが、裏を返せばビッグワードは競合が多いということになります。また、「#夜空」のように、単一で漠然としているワードが多く、ユーザー自身がニーズを把握できていない可能性が高い層でもあるのもビッグワードの特徴です。

一方で、ミドルワード、スモールワードでは、検索するワードに情報が付加されていきます。たとえば「#○○県の夜空」といった感じです。情報が具体的になるということは、ミドルワードやスモールワードで検索をかけるユーザーは、その情報に対して興味関心が高い人たちであると言えます。これらの傾向から、ビッグワードだけ、ミドルワードだけではなく、全てをバランス良く設定するのがベストです。

ハッシュタグを付ける際に起こるエラーと解決法

ハッシュタグを付ける際に、エラーが起こることもあります。その原因と対策方法をご紹介します。

ハッシュタグが反映されない

ハッシュタグのマークであるシャープは半角でなければ、ハッシュタグとして認識されません。反映されない場合は、まずシャープが全角になっていないかを確認しましょう。他にも前述したハッシュタグの設定ルールに則していない場合は、反映されません。

ハッシュタグが検索できない

タグ検索を行なっても、検索結果画面に何も表示されないことがあります。こうした場合は、検索したタグが存在していないことを意味しているので、別のワードで再検索してみましょう。もしくはアプリの不具合、通信環境が悪いなどが原因として考えられます。

ハッシュタグを効果的に活用する方法

企業アカウントでは、ハッシュタグを効果的に活用する方法もあります。

• コミュニケーションの手段
• キャンペーンやPRを行なう

企業側でハッシュタグを決めておくことで、そのハッシュタグを検索すれば興味関心の高いユーザーに効率良くリーチできます。そこからユーザーとのエンゲージメントを高めていけば、ユーザーをファン化させるのもさほど難しくないでしょう。

ユーザーコミュニケーションの手段

自社サービスや商品にちなんだハッシュタグを作り、そのハッシュタグを付けて投稿したユーザーと交流を図ることでエンゲージメントを高める活用方法もあります。交流方法はコメントや「いいね！」、DMの他に該当の投稿をリツイートして企業アカウントで紹介するなどがあります。

企業が仕掛けたハッシュタグを付けて投稿してくれるユーザーなので、元々興味関心は高めでしょう。そうした人たちと直接交流を行なえば、さらに好印象を持ってくれるため、ファン化させやすくなります。

キャペーンやPRを行う

キャンペーンを行なう際、企業側で指定したハッシュタグを付けて投稿することを応募条件にする方法もあります。そうすることで、企業のSNS担当者が地道に頑張るよりも、多くの「宣伝」投稿ができあがります。こうしたキャンペーンの方法を、ハッシュタグキャンペーンと言います。

また、インフルエンサーを起用したPRを行なう場合も同様に、ハッシュタグは有効活用できます。特に有名インフルエンサーの場合は、名前で検索されることも多いので、PR内容が多くの人にリーチする可能性を秘めています。

ハッシュタグを上手く活用した企業の事例

前項ではハッシュタグの活用方法を紹介しましたが、すでに活用して成功を収めている企業もあります。

GUの事例

ハッシュタグのついたユーザー投稿を集めてコーディネートを紹介するコミュニティを運営。多くの人からコーディネートが寄せられており、2021年11月時点で15.8万件もの投稿があります。

ビオクラの事例

「からだ想いの食生活」というコンセプトをハッシュタグにして、ビオクラの世界観を伝えることに成功している事例です。その世界観に賛同したユーザーたちもハッシュタグを付けて投稿。エンゲージメントを高めることに成功しています。

インスタのハッシュタグの付け方のまとめ

インスタグラム運用において、ハッシュタグは重要な存在です。SNS戦略を展開している企業にとっては確実に抑えておいた方が良い要素だと言えるでしょう。また企業だけでSNS戦略を立てるのも良いですが、ユーザーの感覚に近い感覚を持つ、インフルエンサーを起用して活動を行う方が、ハッシュタグの選定などもスムーズでしょう。

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